何で私には意地悪なの。９

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トウマ「…Aの彼氏なんだから、相当優しいんだろうね。」



『世界一優しい、良い彼氏だよ。』



…もう側にはいられないけどね。



『だから私は、烏天狗が大好き。タイプど真ん中だしね。』



…側にいるって約束してくれた。



ずっと一緒だよ、って言ってくれた。



…その約束は守られなかったけど。



『今も見守ってくれてるって分かったから。』



好きさは増していく。



トウマ「…もう、聞きたくないな。」



『あ、そう？じゃあやめるね。』



…最低だ。



好かれてるって自覚があってこんな事言ってるなんて。



…烏天狗が知ったら、軽蔑するんだろうな。



いや、しないか。



だって烏天狗だもん。



『…次行こう！』



…やっぱり最低だ。



そんな事を考えながら、頭の中はまだ烏天狗でいっぱい。



トウマ「あ、待って…」



ワザと振り切るように早歩きをする。



…最低な私なんて、嫌いになった方が良いんだよ？



なのに何で…トウマはそんなに優しいの？



『…分かんないよ。』



私はそうやって、呟くことしか出来ない。









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