何で私には意地悪なの。９

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『…離して。』



ハルヤ「嫌だね。」



…ハルヤ…



ハルヤ「オレはAが好きだ。


…なのにAはそんな事を言うんだね。」



…仕方ないよ。



『私だってハルヤのことが好きだよ。』



ハルヤ「なら。」



『でもそれは“友達”として。


…分かってると思うけど、私は今でも烏天狗のことが好きなんだ。』



どれだけ時が経っても、



どんな理由で離れて行ったとしても、



私の気持ちはいつだって烏天狗にあるんだ。



ハルヤ「…知ってるよ。」



そう言って離れたハルヤは…私の額にキスをした。



ハルヤ「それでも、諦めるつもり無いから。」



…それだけ言っていなくなってしまう。



『…どうして、』



どうして分かってくれないの。



…今一番大切なのは“友達”なんだよ。



つまり…ハルヤも一番大切なんだ。



なのにどうして？



…それを変えようとしないでよ。



「A。」



『っ…夜行…』



いつの間にか現れた夜行は、私の頭を自らの肩に乗せた。



夜行「…無理せず、泣きなさい。」



…私が泣けるのは、



大体夜行かかまいたちの前だけだから。



『っ…ハル、ヤ………酒呑童子っ……………!!』



夜行「…大丈夫だから。」



…もうあの頃には



『戻れないのかなぁ…？』



…悲しいよ。



…私と酒呑童子はもう…









あの頃みたいに笑い合えないんだ。









＊

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