19story ページ29
『わっ！！？』
勢いよく跳ね起きた。全身に冷たい汗をかいていて、薄い服はべったりと体にまとわりつく。
どうやらあれは悪夢だったようだ。
『…夢、かぁ』
周囲の安全を咄嗟に確認し、安堵した。
この部屋には弟妹全員が収まって眠っている。
私の両隣はレイとエマだ。
幸い、私の小さな叫び声では誰も目を覚まさなかったようである。
『…う、』
夢の内容がまるでトラウマかのように鮮烈にフラッシュバックし、私は吐き気を催す。
急いで手で口を押さえて風呂場へと走った。
＊
吐き気は止まらず、吐くだけ吐いた頃には酸欠で頭は朦朧としていた。
だが、それもいずれハッキリとあの悪夢を再び思い出せる程にまで回復する。
『…なに、あれ。夢…だよ、ね？私、嫌だ、なら、私は、私っ、…痛っ、！！』
『…私は…人間だよ』
朝日が登る直前の事。
＊
〈レイ視点〉
「皆ーっ！朝だよーっ、起きてー！」
カンカンとエマの代わりにフライパンを叩きながら、キッドが大声で弟妹を起こす。
毛布にほぼ頭まで埋まっていた俺も、もう朝かと思いながら、もぞもぞ起床する。
『ん？……はぁ！？』
何か動き難いと思ったら、ノアが俺に抱きついて眠っていた。
馬鹿じゃねえのか、こいつ…。
ってか温いな、寒くないのはノアのお陰か。
『…起きろ、朝だぞ』
朝のこいつは機嫌が良かったり悪かったり、扱い難い。しかも、機嫌が悪い時には割りと本気で蹴ってくる。
だから抱きつかれてしまっている今日は特に優しく揺すってやる。
「…すぅ」
『ちっ』
起きねえな。
多少強めにゆすってみることにした。
『おい、朝だ、起きろ』
「う、うぅん？」
ノアは呑気に俺に抱きついたまま、薄く目を開いた。
「おはよー、あさかぁ」
『ああ。朝だよ。だから早く起きろ…重い』
「んんーっ…」
『あ、おい！』
『…は？』
ゆっくりと伸びをして、寝落ちそうになるノアを抱き起こす。そして、もしかしたら何でもない事なのだろうが、一つ気づいた。
「レイ？どうしたの？」
『…アンナ』
ノアの頭をそっと自分の胸に押し付ける。
特に顔は。
弟妹達はすっかり部屋から出て行ってしまって、毛布だけが乱雑に散らばっている。
俺達が来ないからアンナは心配してくれたのだろう。扉を半分開いて、綺麗な金髪と優しげな顔を覗かせた。
「ノア達が来ないからエマに呼んできてって頼まれたの」
『そうか、ありがとな。こいつは俺が連れてくから先行っていいぞ』
「うん。伝えとくね」
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ジュリー(プロフ) - みかん星人さん» 了解しました！どんどんコメ来ると嬉しいです！END分岐が多いようなので、別でEND集を作ろうと思いまーす！ (2019年3月2日 13時) (
レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - コメント失礼します！個人的には2番寄りの6番が見てみたいです...wwもちろん何番でも楽しみですけど！更新楽しみにしてます！ (2019年3月2日 12時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - 杏里さん» コメありがとうございます！(泣)了解しました！欲張りさんでもウェルカムなので他の方もコメお願いしますー！ (2019年3月2日 12時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 初コメ失礼します。アンケート12がいいです！（欲張り） (2019年3月1日 23時) (レス) id: 4f6b7da3ac (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - コメントお願いします！来たら嬉しすぎて泣きます。来なくても泣きます。(好きなやつだけ書くかもです) (2019年2月24日 15時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュリー | 作成日時：2019年1月13日 12時
