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それは、私の想像の遥か遠くを超えた。
開いた口が塞がらなくて、ただただ呆然とした。
｢え、今日ってエイプリルフール？｣
｢ちゃう、7月26日｣
｢冗談きつすぎ、てかおもんなっ｣
｢そう言うと思った。｣
｢は…？｣
大毅の顔に笑顔は無い。
なんでよ、やめてよそんな顔。
笑ってよ。
でも、最近の技術でもタイムスリップは不可能だって、ニュースで見たし、
そんなましてやネコ型ロボットみたいなことって、
目の前に謎の写真を差し出された。
その写真の日付は2078年と記されていて
恐らく日本だろうけど、街並みががらんと変わった風景。
｢俺は今から60年後の未来から来た。
それでこの写真はまさに俺らが今立ってるここ。｣
｢どうゆ、こと…？｣
｢それで俺は、8月26日、つまり誕生日に未来へ帰る｣
｢なんで、｣
｢ほんまはもっと早よ帰らなあかんかってんけど帰る道を工事で塞がれてもうて｣
｢急すぎやって、頭追いつかんって｣
｢でも、事実やねん。これが現実やねん｣
｢そんなん、いきなり言われても｣
蝉の声も、川が流れる音も、
背後に通り過ぎていく子供たちのはしゃぐ声も、
何もかも聞こえなくなって、頭が真っ白になって、
｢だから、最後の日まで、花火大会まで
俺と一緒にいて欲しい。
お前じゃないと、いやや。｣
あと一ヶ月後で、お別れなんて
未来から来たなんて
そんな、映画のような話
どう説明されたって、たとえ大毅だって
絶対、信じれない。
だって、今目の前にいるのは
確かに今を生きる、大毅でしょ？
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作者名：のらら | 作成日時：2018年8月9日 0時
