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その日の大毅との帰り道は、
やけに彼がそわそわしていた。
話しかけても上の空、手と手がちょこっと触れ合うだけで肩をびくつかせては、
滝のような汗で、顔を真っ赤にさせて。
｢なぁ大毅、ちょっと河川敷寄ろう｣
｢あ、おん｣
家の近くの河川敷で、並んで座った。
隣にいるのに少し距離がある。
こんなこと今まで無かったのに。
ちょっとだけ、寂しかった。
｢大毅、私なんかした？｣
｢え、いや！そんなことない！あの…その…｣
頭をがしがし掻いて、鞄からいつもの無くなりかけの青の制汗剤を一生懸命に塗りはじめた。
｢あ、あのさ｣
｢うん｣
いきなり改まったように、立ち上がって
私の前まで来た。
｢お前に、言わなあかんことがあって｣
すこし、期待した。
やっと告白かなって。
だからこっちまで恥ずかしくなって
｢出会ったばかりの頃に言わなあかんかったのに｣
｢お前とおるのが楽しすぎて、言うに言われへんくて｣
｢あっという間に、てか、いつの間にか
2年も経ってた｣
大毅の真剣な目が私の目線と交わる。
顔に熱が集まる。
大毅が、すぅっと息を吸って
こう言ったの。
｢俺が未来から来たって言ったら、信じる？｣
．
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作者名：のらら | 作成日時：2018年8月9日 0時
