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「さっちん、急にどうしたん」

「えへへ、久しぶりにAの家来たくなっちゃった」




次の日の昼頃、珍しくさっちんが家に来た。
さっちんとはなんだか久しぶりに会った気がした。




「大毅とはどう?」




こんな質問をしてしまう自分が、嫌になる。
きっと返ってくる言葉は、私を傷つけるだけだし
さっちんのうれしそうに笑う、可愛い笑顔も想像つく。

なのに、さっちんは少し悲しい顔をして俯いた。




「重岡くん、私には興味無いみたい」

「え、」

「ここの所、一緒に居たけど四六時中Aの話しばかり。もともと私の入る隙なんか無いの分かってたけど」



やっぱ無理だぁ、と私のベッドに倒れ込む。

なんでだろう、昨日、告ろかなって言ってたくらいなのに。


期待するようなこと、しないでよ。




「もうあきらめる、重岡くんは」

「なんで、」

「他にイケメンなんか山程いるし!あ、ほら
中間くんとかさぁ、かっこいいよね」

「…さっちん」

「中間くん、フリーって聞いたから狙っちゃおっかなぁ〜…」




だんだん、さっちんの丸い瞳に涙が浮かぶ。
下唇を噛んで、堪えて。

私がぎゅっと抱きしめると、ほどけたように
声を上げて泣いた。




「無理しないでいいんだよ」

「うぅっ…A〜っ…」

「ごめん、さっちん」





私、やっぱ大毅が好きだ。



さっちんの抱きしめる力が強くなる。
私の肩に顔をぐりぐりして、鼻をぐずんと啜った。




「…知ってる」

「ごめんね」

「謝んないでよお…」




もし、大毅が未来人じゃなかったら、
私はずっとさっちんに嘘をついて、さっちんの応援をする振りをして、嫌な人間になっていたかな。


ねぇ、大毅



一体貴方は、何者?





『 いつか、分かるよ 』





想像もつかないの。

未来の貴方が。





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作者名:のらら | 作成日時:2018年8月9日 0時

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