雪の傍で。 (ページ4)

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ぴたっと頬に当てられた温もり。
それは大毅が手に持つココアで。
もう片方の手にはコーンポタージュが。

「どっち？寒いからはよ選べ」

「うーん、どっちしよっかなー」

「はよはよ！寒い！」

「ふふ、ありがと」

「ん。ココアな」

大毅からココアを受け取ると、そのまま手を包み込まれる。
そうすると、ひんやりと悴んだ彼の冷たい手が私の手を支配した。

「あーぬく！お前、手ぇあったか！」

「へへ、そかな」

「やっぱ素手で雪触るのあかんわ、霜焼けになる」

ちゃっかり手を繋いで、それもあえて言わない彼が好きだ。
誰よりも、大好きだ。

言いたいけど、言いたくない。
今のこの距離がもどかしく一番心踊るのだ。

一番、恋してるんだと気付かされて
彼を好きなんだと毎日思わせてくれるんだ。

「鼻あっか。トナカイや」

つん、と大毅の人差し指で私の鼻はつつかれた。
ひひ、と笑う彼の頬をぐにっと摘み、彼も私の頬を同じように摘む。

「ぶた、離せ」

「うるさいさる、歯多いねん」

「関係ないやろ！」

あっという間に温かくなった彼の手が
そのまま私の頬を撫で、顎を優しく掴み私を引き寄せ、彼との距離は近くなる。

目を閉じても大毅の顔が見えている気がして
余計恥ずかしくなって目を開けると、目の前には目を閉じた大毅が。

長い睫毛に積もる雪に見惚れてると、
唇にふわっと何かが触れ、じんわり熱が伝わった。

「ファーストキス、ですか」

「……は、はい」

「俺も、です」

こつんと額同士を合わせ、笑った。
甘くて寒くて、でも温かい彼との冬は

まるで、サンタクロースからプレゼントが届いた時のように幸せだった。

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