【H×H】あなたは星のような人 (ページ9)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:8,247 hit

八等級ページ9

「二次試験会場まで私についてくること

これが一時試験でございます」

なお、場所、到着時刻は答えられないよう。

「なるほどな……」

「変なテストだね」

「さしずめ持久力試験ってことか」

と三人が口々に話す。

私は体力には少々自信がないんだけど、どうにかして(ズルしてもいいから)二次試験まで乗り切れないかな…と考えていると、

後ろからすーっと何かが横切った。

「おい、ガキ汚ねーぞ

そりゃ反則じゃねーかオイ！」

レオリオが文句をつけると少年が振り返った。

あれは、…キルア様！そして足にはスケボー。

「なんで？」

「なんでっておま…

こりゃ持久力のテストなんだぞ」

レオリオがそう言うと、ゴンは

「ちがうよ、試験官は付いて来いって言っただけだもんね」と、どっちを弁護しているのかわからないことを言い出す。

しかし、ゴンの意見はもっともだ。ただ試験官は付いて来いって言っただけ。

ズルしようと、まじめに走っていようと付いて行ったら皆同じ。

私もなんか乗り物持ってこればよかったな…と後悔していると、

「…！リュリュじゃん。久しぶり」

キルア様がこちらに気づいた。

「はい。久しぶりですね。キルア」

「今までどこいってたんだよ。オレ心配したんだぜ？」

「あら、ごめんなさい。でも大丈夫よ。ほら、生きてるし」

私が冗談を言うと、キルア様は、ヘラっと笑って、

「変わんねーよな。リュリュって」

そう言って、ゴンの方を向いた。

「ねえ君、年いくつ？」

キルア様とゴンのやりとりを少しだけ眺めて、ホッとした。

キルア様にもようやくお友達ができそうな予感。

ゾルディック家は厳しくて、お友達なんて作れなかったから、キルア様が可哀想で、また、心配でたまらなかった。

でも、そんなキルア様でも、ゴンが付いていればきっといい経験をすることができるわ。

正直、ゾルディック家の友達禁止みたいな躾は反対だ。

私自身、友達は、私を成長させてくれる一つの大きな存在だったから。

キルア様にも友達の存在を味わってほしい。

その気持ちはゾルディック家から出てきたいまでもずっとある。