＊※ ページ6
「俺、本当は我々国の者なんです。潜入捜査でここに来て 情報と A先輩を抜き取りに来たんです。だから先輩 いや、Aさん 我々国に来てください」
驚いた表情で 目を丸くするAさん。
『へ、ぁ、わ、我々国、？チ、チノって、…チーノ？』
「はい。僕は A先輩の直属部下 チノじゃありません。我々国幹部 潜入捜査第1隊隊長 チーノです」
その言葉を聞いてAさんはさらに目をかっぴろげ 顔を青くさせた。その顔もいいなァ。もっと見せてほしいんやけど。
『騙してたん…？ナ、ナァ………チ、チノ…』
大粒の涙が溜まって 頬を伝って落ちていく。うるうるとした艶めかしい眼球が綺麗で綺麗で仕方がない。
俺にソッと手を伸ばしている。それを手に取り、キスを一つ落とした。
「だから、僕はチノじゃないですよ？貴方を騙し、心に入り浸った チーノという人物。」
ハッキリと否定すれば、ソレは意外にも簡単に砕け散った。
『うッ、嘘や！！！！ハ、ハァッ、ひァあぁアァアぁ！！！！！！』
パニックになり、叫びながら俺の手を勢い良く振り払って 何処かへ飛び出した。
書類が宙を舞う。
「…アハッ、せんぱい、逃がしませんからね？」
通りすがる人々から Aさんの走っていった先を聞き、ルンルンと歩きながら着いたのは Aさんの個人部屋。
扉を開けようとすると、何かが倒れるような音が鳴り響く。
「Aさ〜ん？入りますよ〜？」
音の正体は分かっている。
ギチギチ音を立てる 天井から垂れ下がったロープとAさん。
乱暴に倒れている椅子。散らばった小物達。窓から入ってくる光を Aさんの美しい髪が反射した。
「ダメじゃないですか こんなことしちゃったら。先輩引き抜けないと 今度は俺が怒られちゃうんですからね！」
脈はまだある。温もりはまだ存在している。
「さ、帰りましょ？A、せんぱい！…アハッ」
【首吊り、
・首をくくって死ぬこと。
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まる麺 - タイトル回収が天才すぎです、！面白かったです！ (7月19日 14時) (
レス) @page49 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
戦慄(プロフ) - わあああ…すっごいすきです…どのお話もとっても素敵です…！ (2023年1月3日 12時) (レス) id: e831999098 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さき。 | 作成日時：2022年8月23日 9時
