一歩先に ＿tn ページ1
※軍パロ
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気付いた時には遅かった。真実だと思っていたものが、まさか嘘やったなんて知りたくない。
目の前には 光を受けて輝いている散らばった血と、恨みをこれでもかと詰めて醜く死んでいる 俺らを騙したクソ女の生首。
その場にはいない 一番の被害者であるA。
会議にも来ない。食事にも来ない。訓練にも来ない。唯一顔を出したのは 俺に書類を提出する時のみ。
度々見える 隈がくっきりと付いた真っ暗闇の目が怖かった。それに恐れて 何も分かっていないのにAを睨み付けた。
大先生を思わせる 猫背と生気のないおぼつかない歩き方。一般兵士やここに仕えている者達は気味悪そうに眺め、一部はAに酷く暴力を振るった。
それでも Aは反抗1つしないまま、その暴力を全身で受けた。
まるで 自分の犯した罪を溶かしているように。
当たり前のように ゾムやシャオロンはそれに混ざって 楽しそうに拳を振るう。
兵士や幹部から与えられる痛みは一般人の比ではない。仮にも軍人であり、毎日バカみたいに鍛えている体と力。
あまり戦闘向きでないAの体に振るわれたそれらは これからも痕として残るだろう。
ここまで過ごしてきて 滅ぼしも出来ない罪を重ねて それらが「嘘でした」なんて
あまりにも人道的ではない。
それでも俺らは、この国の幹部なんやろうか。
今まで以上に重たい空気の中、Aはいつも通り顔を出さず、それ以外の幹部全員が集まって会議が始まる。
gr「………あの女は始末した。D国のスパイだったようだ。それは知っているな？」
後悔の混じる 底をなぞるような声が響く。
ut「…昨日、聞いた」
zm「…認めたないわ。全部嘘やったんやろ。」
全員が同じ思考。思っていることも、会議の内容もきっと分かっている。
gr「…俺らが犯したことは消えない。Aを一生傷付けるだろう。だからこそ、彼女に誠心誠意 謝らねばならんのや。分かるやろ」
コクリとうなずく皆。その場はこれまでに そしてこれからも無い程静かだった。
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まる麺 - タイトル回収が天才すぎです、！面白かったです！ (7月19日 14時) (
レス) @page49 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
戦慄(プロフ) - わあああ…すっごいすきです…どのお話もとっても素敵です…！ (2023年1月3日 12時) (レス) id: e831999098 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さき。 | 作成日時：2022年8月23日 9時
