【25時、ナイトコードで。】死にたい僕らにできること【短編集】

2人で一つ ＿絵名※ ページ8

※最初 少し 胸糞注意？

ーーー

ねえ、聞いたよ、絵名。


最近、新しくできた友達に 元気を貰ってるんだって？

あ、いや… 正しくは、モチベーション？ …私からしたらどっちだっていいけどさ。



どうして私を置いていくの。なんで絵名だけ救われようとしてるの。

私を置いていかないで。絵名が救われるなら私も救われたいし、絵名が堕ちるなら私も堕ちたいのに。


あまりにも傲慢かな。…傲慢だね？ でも約束したんだもの。ねえ絵名。

私達、いつでも一緒って。片方だけ取り残されることがあったなら、生えかけた美しい翼を折ってでも 片方についていくって。

2人なら頑張れるって。1人じゃ虚しいけど、2人なら虚しくないって。約束、破るの？


確かに、あんなの まだちょっと幼い頃の口約束だし、絵名は覚えていなくても当然かもね。絵名には、約束を忘れそうなくらい すごく嫌なことがあったんだから。


でも、それでも、私のことを忘れないでよ。私はまだここにいるのに。置いていかないで。置いていかないでよ

私を1人にしないで、私も連れていって、絵名のところに

私1人じゃ嫌だ、こんなの耐えられない


絵名、絵名、どこにいるの？


助けてよ、絵名、置いていかないで

私、まだ苦しい
　
　
　
　
　
　
「ったくアンタは… そろそろ自立しなさいよ」

『…絵名？』

「そう、絵名。東雲絵名。アンタが散々求めてた絵名」


茶色が揺れる。茶色が私を射抜く。微笑んだ。頭が弾けそうなくらい熱くなって、そして、


「私がアンタを忘れるわけないでしょ！ …いつでも一緒って、昔約束したじゃない」


笑った。絵名が笑った。


「最近会えなかったのは、自分のことで忙しかったから。でもちゃんと片付けてきたの！次はAの番ね。ほら」


手を伸ばした。触り心地のいいすべすべとした手が、私を引っ張って立たせてくれた。

頭がぱちんと弾けて、一瞬全部が冷たくなった後に、力が無くなって、視界が白んでいって、何も見えなくなった。




「本当に手間がかかる子なんだから… 私がAを忘れるわけがないのに」

「ふふ、Aって、本当に私がいないとダメなんだ… こんなになっちゃうだなんて、少し放置しすぎたかな」

「ねえA？ 私がいるだけで幸せ…とか、言わないでね」

「アンタばっかり幸せになってちゃ不平等じゃない。約束したのに。私の分も絶望しときなさいよ」


「裏切りは許さないんだから！」

共犯スペクタル ＿瑞希※→←＊

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