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世界不履行 _まふゆ ページ31

※キャラの未成年喫煙描写あり。真似しないでください
※恋人関係

ーーー
偽るまんま月日を過ごすたび、ドクドク心臓が嫌な音を立てて壊れそうになる。

全部信じられないから。目の前にある友達、先生、全部全部全部。


この世界だって信じられない。何でできているのか分からない。人間の悪意を集めて固まっているかもしれないのに安心なんてできやしない。



だって、だって分からない。人間どもは何を考えて行動しているか分からない。みんな欲望に従って動けばいいのにみんなそうしない。


わからないから、わからないなりに、偽ったのに。






綺麗にセッティングしたはずの髪の毛をぐしゃぐしゃかき乱して、その場にしゃがんだ。

胸が苦しくて仕方なくて、全部壊れちまえと願うばかり。


誰もいない廊下にしゃがみこむわたしを 無表情で照らしやがる夕日が大嫌い。何を考えているか分からない。



かひゅかひゅ喉に空虚を詰まらせながら呼吸した。苦しみでお腹がすいてしまう。


お腹が痛くなったときに滲み出る脂汗みたいなのが 垂れて落ちるのも気にしないまま、わたしは裏門に走った。







裏門に誰もいないのを確認して、ポケットに隠しておいた、家族から拐ったタバコにライターで火をつける。苦くて甘い、舌ににじむメンソールを飲み込んで。

呼吸を許してくれなかった心臓が煙を吸い込んで、ゆっくりゆっくり動き出す。


白い撹乱を天に昇らせた。さりげなく 自分の欲望もそれに潰して加えた。



「…A?」

『…ア?』

聞き覚えのある声に後ろを振り向いた。ふわふわの紫髪を揺らしたまふゆがそこにいた。


「…校内喫煙は禁止されてるんだけど」

『ナアニ朝比奈。わたしを捕まえたいの?』



発言に気なんてつけない。とげとげのまんま彼女に差し出せば、彼女は平然とそれを握る。

「……」
『いっしょに吸いたいのかな、あはは』


ならよいだろ、ともう一本タバコを出して、まふゆに押し付ける。こう、と咥える仕草をすれば、優等生はわたしの真似をした。


「!」
『…はん、満足した?』


シガーキスを施してやれば、目の前の優等生は表情を崩す。



「…フーっ、…キスなんて、直接口にすればいいのに」

手慣れたように まふゆは煙を昇らせる。初めて吸うだろうに、どうして手慣れているのだろうか。



『アァ、まあ、そうだね』

じゃあ、優等生サマのお望みどうり、してやろうかな

*→←* ※



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さき(プロフ) - ふみふゆさん» 迷惑だなんて、とんでもない!とっても嬉しいです!ありがとうございます…!! (2月6日 19時) (レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
ふみふゆ(プロフ) - 迷惑だったらすみません、雰囲気とか話し方とか、全然壊れてなくて好きです…… (2月6日 18時) (レス) @page12 id: aed784c8de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき。 | 作成日時:2023年9月12日 23時

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