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願望は消える _絵名 ページ19

絵名 side



『ねえ絵名、』

「何…、っ!?」

私の部屋に泊まっていたAが突然 私の腕を引っ張った。Aと私はベッドに倒れ込む。Aの上に私が乗っかる。退こうとしても、Aは腕を引っ張って止めてきた。



それは端から見ればとんでもない姿で、それこそ彰人にでも見られたらうるさく騒ぐに違いないから、早く退きたいのに。

仰向けに寝転がるAに 馬乗りになってしまっている。Aが何をしたいのか分からなくて、ただ光の無いAの目を見つめていた。



『ねえ絵名、』

また同じ言葉を話す。私の手を掴んで、そして、Aの頚元に置く。何を言うか分かってしまって、思わず ギリ、と歯軋りしてしまう。


『殺してよ、私を』

「…バカ」


突発的なAの自_殺願望は、今に始まったことじゃない。この時の、光が無くて 仄暗くて 底が無いAの目はいつも怖い。


パッと手を離して、すぐにAの上から退いた。残念そうに笑うAの頬に、黒のコピックをちょんと押し付けた。


『ワ…、何するの』

「バカ、バカね、アンタってホントに」


Aの頬に、少しの期間限定のほくろができた。


Aのこういう行動は初めてじゃない。私の部屋に泊まるたびにこういう行動を繰り返して、その度に私はAの色んなところにほくろをつける。


すぐに物事を忘れるAは、私にほくろをつけられるたびに、初めてつけられたような反応をする。それが本当に本当に憎たらしくて、でも 許せないわけじゃない。




私だけにそれをねだる姿が好き。私だけにその姿を見せるのが好き。


惚れた弱みというのは、あまりにも弱点が過ぎる。いくら私に殺してとねだられても、許せてしまうの。



Aに抱きついて、肩の辺りに噛みついた。これもいつか消えてしまうから、そのときになったらまたAがここに泊まりに来る。



本当に憎たらしくて、大好きで、殺したいくらい。

空回りOD _まふゆ※ ~→←軟禁誘拐事件再再 _奏※



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さき(プロフ) - ふみふゆさん» 迷惑だなんて、とんでもない!とっても嬉しいです!ありがとうございます…!! (2月6日 19時) (レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
ふみふゆ(プロフ) - 迷惑だったらすみません、雰囲気とか話し方とか、全然壊れてなくて好きです…… (2月6日 18時) (レス) @page12 id: aed784c8de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき。 | 作成日時:2023年9月12日 23時

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