* ページ14
涙が滲み出てきて、頚を絞めていた手が緩まって、つい強く咳き込んだ。咳が喉に詰まる度に苦しくなって涙が落ちた。
『っう"ぅ…… ぅ"うぅ"う…!!』
漏れ出た声は案外大きかった。咳が止まらない。涙が止まらない。どんどん枕が濡れていく。胸と目元が熱くてたまらなくて、奏に助けを求めたかった。
私は臆病者だ。自分で頚を絞めて死ぬことすらできないだなんて。嫌だ、嫌だ、嫌だ
「A…!? どうしたの…!?」
『ッ!?』
駆けつけた奏が扉を開ける。アァ見られてしまった。嫌だ、嫌だ
「… … … ごめん、A… 私、一緒に住んでるはずなのに、Aが苦しんでたこと、全然気づかなかった… こんなになるまで気づけなくて、ごめんね…」
またアノときのように、奏は私を優しく抱き締めた。細い腕が 座っている私の頭に回って、奏の匂いがした。
『か、か、ァ… かな、で… かなで…!!!! わたし、わたし、わたし…!!!!!』
抑えていたものが崩れ落ちて、奏に抱き締められながら泣き喚いた。声は掠れていた。
嫌になって、頚を絞めた。その痕はくっきり残ってしまって、奏はそれをいたく哀しそうに撫でるのだ。それでよかった。よかったのだ。奏が私の方に向いてくれるなら
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さき(プロフ) - ふみふゆさん» 迷惑だなんて、とんでもない!とっても嬉しいです!ありがとうございます…!! (2月6日 19時) (レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
ふみふゆ(プロフ) - 迷惑だったらすみません、雰囲気とか話し方とか、全然壊れてなくて好きです…… (2月6日 18時) (レス) @page12 id: aed784c8de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さき。 | 作成日時:2023年9月12日 23時