3日目 事件 ページ3
「好きです!付き合ってください!」
「今から事件現場に向かわないとだから無理」
「それは仕方ないですね、むしろお邪魔しました!」
今日も呆気なく振られ、出ていこうとすると腕を掴まれる。掴んだのは乱歩さんだった。
「今日の事件に女性が関わってるらしいから、一緒に着いてきて欲しいんだけど…」
「行きます!お力になれることでしたら何なりと!」
今日は女性社員の与謝野さんがみえない。ナオミさんは学校だろうし、事務員さんもお仕事で忙しいだろうから、私を呼んでくれたのはきっと人手が足りないからなんだろう。
それでも、頼られることがとても嬉しく感じた。
事件現場に着き、私もお手伝いをと意気込んだが乱歩さんが一瞬で事件を解決してしまい全く役に立つことなく、私の出番は幕を閉じた。
「私来る意味あったんでしょうか…」
「電車の乗り方教えてくれた」
「それは男性社員でもできるのでは?」
「何?来たくなかったの?」
下から見上げられるようにして覗き込まれる乱歩さんの顔の破壊力は私の疑問を一瞬で吹き飛ばした。
「いえ!むしろ呼んでくれただけでも嬉しいです!乱歩さん大好きです!」
乱歩さんは物凄い溜息を着いて下を向いてしまった。
「唐突に好きとか軽々しく言わない…」
「乱歩さんが可愛くてつい、」
今まで下を向いていたのはどうしたのかと言わんばかりの勢いで顔を上げ、真っ直ぐこちらを向く。
「可愛い?僕が?」
「はい、とっても可愛らしいです」
そう言うと、こちらに近寄ってきて何やらしゃがむように言われる。
「乱歩さん?」
「可愛いのはAだよ」
自分の顔が一気に赤くなるのがわかった。
乱歩さんはそれだけ言うとすっきりしたのか前を歩き始めた。
「26歳を揶揄うから仕返し」
「乱歩さん私の事揶揄ったんですか!?」
置いていかれそうになり、急いで走り寄る。
いつもは年下に思うような行動ばかりなのに、こういう歳上な行動に慣れず、まだ赤い顔を隠すために2歩後ろを歩いた。
実はその時、前でも同じように赤い顔をして歩いている青年がいたとか。
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作者名:もももんじゅ | 作成日時:2022年1月26日 11時