1日目 告白 ページ1
「乱歩さん！付き合ってください！」
「無理」
「そんなぁ何故ですか！？」
「今はラムネが飲みたいからね」
「ラムネに負けた」
毎度の如く振られたことに落ち込んで、項垂れていると太宰さんが近ずいてきた。なんだろうと思い、黙って様子を見ていると手を包み込むようにして握られた。
「Aちゃん、私となら何時でも心中できるよ」
口説き文句のような言葉にあたふたしていると、間を切り裂くように乱歩さんが入ってきてくれた。
期待した目でじっと見ていたけど、無視されてしまった。
「いいから、帰った帰った」
背中を押されるようにして出口へと急かされる。
結局そのまま背中を押されることが嬉しくて、押されるがままになってしまい締め出されてしまった。
「私が貴方と結ばれる確率が0％だと言われても、諦めませんからね！それじゃあ、お勤め頑張ってください」
その頃探偵社内では。
「相変わらず、熱々ですねぇ」
「僕をからかうつもりかい？」
人をおちょくるのが大好きな太宰とほんのり顔を赤らめる乱歩が睨み合っていた。
そこへ通りがかった賢治が爆弾発言をする。
「乱歩さんはどうして毎回断るんですか？」
沈黙。
「聞きたいかい、賢治君？」
ニヤニヤした顔でこれでもかと言うほどに乱歩を弄ろうとする太宰が黙っている乱歩の代わりに答えようとする。
「？聞きたいです」
無邪気で訳も分からず聞きたいと返事をする賢治が今では憎らしく感じてしまう乱歩は今にもこの場から1秒でも早く離れたい気持ちだった。
「1年ほど前にAちゃんが乱歩さんの事件を直接見る機会があってね、そこで惚れ込んだAちゃんが活き良いよく告白したのだが、『君と結ばれることは有り得ない！確率で言うならばゼロパーセントだね！なぜなら僕は絶対に君に惚れたりしないからだ！』って意気揚々と言ってねぇ、結果今でも断り続けてるってことなのだよ」
「へぇー！そうだったんですね！
…あれ、乱歩さんはどちらに行かれたんですか？」
「あー、乱歩さんなら走って何処かへ行ってしまったよ…｡今は追わないであげな。」
空気を読んだ与謝野先生によって一段落がついた。
「ちぇ…」っと言う太宰に、国木田は容赦無く拳を頭に落とした。
外に出ていた乱歩は真っ赤な顔をして呟いた。
「絶対惚れないから！」
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作者名：もももんじゅ | 作成日時：2022年1月26日 11時
