if you【短編集】 (ページ5)

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後輩だったら Kaito ページ5

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『カイちゃん！いまのシュートめちゃくちゃ良かった！』

｢見てたの！？やったぁ！｣

後輩なのにタメ口なこの子は髙橋海人。

そして私は彼と同じサッカー部のマネージャー。

｢おーい。お前海人に特別扱いしすぎ！俺らにもそーゆーのちょうだいよ。｣

同期からそんなことを言われる。

『やだよ。カイちゃんみたいに可愛くないしー。』

会話を聞きながらずっとニコニコしてるカイちゃん。

かわいい。

｢練習再開するぞー。｣

顧問の声でみんなが集まっていく
そんな中私の方を向いて残るカイちゃん。

『ほら、早く行きな？』

｢えー。A先輩から離れたくないなあ。｣

カイちゃんもまた、私を気にいっていてこんなことを言ってくれる。

『がんばって！見てるからさ！』

｢わかった！行ってくるね！｣

ちょろい笑
でもかわいい。

_____

『おつかれー！』

｢頑張ったからご褒美ちょうだいー！｣

｢お前らイチャつくんならよそでやれー｣

｢じゃあ違うところ行こーよ｣

冗談で言っただろうに、カイちゃんは私の手を引いて体育館倉庫の裏に来た。

『そんなに2人っきりになりたかったんだ笑』

｢うん！｣

『かわい。弟にしたい笑』

と言いながらカイちゃんの頭に向かって伸ばした手は、

グッと強い力で掴まれ、止められた。

｢俺は、先輩のかわいい弟になりたくない。｣

急に真剣な顔をするからびっくりした。

｢かっこいいって思われるように頑張ります。｣

いつもの笑顔は消えてなんだか大人びて見えた。

『かっこいいと思ってるんだけどなぁ。』

『カイちゃん、かっこいいよ？』

｢ほんと？やったぁ！｣

かわいい、

っていうのは私の心の中だけにしておこう。