【から紅の恋歌】この世でかるたが上手な彼女【名探偵コナン】【ネタバレ注意】

謎解きタイム by紅音 ページ22

関根「ん？何や？」

目を開けた関根がAを振り返る。その隙にコナンはソファを回り込み、Aの陰に身を潜めた。

『あの離れの廊下、床が軋むの。ギシギシってね。覚えている？』

関根「それがどないした？」

関根がたずねると、コナンは蝶ネクタイ型変声機を口に当てた。

小五郎「あれだけの音だ、誰かが離れに入ってきたらすぐに気づくはずです。しかし、遺体に争った形跡はなかった」

関根は「なるほど」とあごに手を当てた。

関根「侵入者は矢島の顔見知りやと言いたいようだが、そらちゃうで。練習とはいえ、かるたは相当な集中力が必要や。一度集中したら、少々の物音がしても気づかへん。せやから矢島は、入っていきたモンに気づかずに殺されたんや」

小五郎「それはあり得ません」

小五郎は間髪入れずに否定した。

小五郎「矢島さんの致命傷は、頭のど真ん中にあった。もし、彼が侵入者に気づかずかるたを続けていたとしたら、きずは後頭部もしくは側頭部にあるはずです。」

『つまり、矢島さんと犯人は顔見知りでないと、あんな傷はつかないってことですよ』

平次「犯人はかるたに詳しく、矢島さんと顔見知りで、犯行時刻にアリバイがない、そして彼の死によってとくする人物・・・・・」

平次が犯人像を詳しく推定すると、関根は「ふむ」と腰に手を当ててうなずいた。

関根「こら不思議やな。全部、僕に当てはまる。しかしな」

関根はソファに歩み寄り、小五郎のすぐ後ろの背もたれをつかんだ。

関根「アンタが今しゃべったんは、全部推測やろ。僕を犯人にしたいんやったら、証拠をもってこなあかん」

そのとき、ドアをノックする音が聞こえた。

スタッフ「関根様、お時間です。お願いします」

関根「おう、今行くで」

ドアに向かって返事をした関根は、うつむく小五郎を見て勝ち誇ったような笑みをうかべた。

関根「残念やったな。もう時間や。ほなな」

小五郎「最後に一つだけ、聞かせてください｣

関根「しつこいな。何や！？」

ドアノブに手を掛けたせきねが、苛立ったように振り返る。

小五郎「あの日、遅れてきたあなたは、状況を確認するため、すぐに阿知波会長と話し始めましたね？」

関根「ああ、そうや。それがどないした？」

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