検索窓
今日:20 hit、昨日:108 hit、合計:17,319 hit

𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟻𝟽 ページ8

.


このことを含め、私がこれまで工藤君に組織の詳細を話さなかったのは、彼が巻き込まれてしまうから。すぐに首を突っ込む彼のこと、考えなくとも先が見えてしまう。それに、私に関与した人間にも危害が及んでしまう。
彼には話さなかったことがたくさんある。組織の正体に始まり、半世紀前から進めているプロジェクトまで。


けれど、そんな組織がもしも今日で壊滅するのならば。


ここが組織の根城というのなら、恐らくこの建物のどこかに専用のコンピューターがある。そしてその中にはAPTX4869の完全なデータも。

そう確信すると、続けざまにふと彼の言った言葉が流れてきた。


"逃げるなよ灰原……自分の運命から…逃げるんじゃねーぞ"


彼は私とは違い、一番に望んでいるのは組織の壊滅。そしてその原因はまさしく私が関与した例の薬によるもの。もし今日、ここで本当に組織がなくなるとするのならば。私がするべきことはたった1つしかない。


決めたわ……


今までずっと組織からひたすら逃げてきた。
けれども、逃げ続けるのは今日で終わりにしようと。



「もう……逃げるのは止めにしようかしら」

「……え?どうしたの哀ちゃん」

「灰原さん、何かから逃げてるんですか?」

「悪いやつに追われてんのか?」



独り言が聞こえてしまったのか、子どもたちがこちらを見る。この最初で最後の大役は、私ひとりで背負わなければいけない。
それに、この子たちを巻き込むわけにもいかないし。



「いえ、大丈夫よ……
………それよりも、みんな。ちょっと耳を貸してちょうだい」



不思議そうに首を傾げる子どもたちに、私は1つだけ頼み事をした。



.𝚂𝚒𝚍𝚎 𝙴𝚗𝚍

𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟻𝟾→←𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟻𝟼



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
427人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 黒の組織 , ジン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年12月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。