清純の真実･後編《名探偵コナン》 (ページ9)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟶𝟾 ページ9

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支度をして外に出ると、ピューっと冷たい風が私の頬に吹き付けた。それと同時に、アパート前に山のように積まれた落ち葉がくるくると舞う。もう秋が終わり、冬の始まりを告げているんだろう。

もうすぐ今年も終わっちゃうのね……

月日は流れるように経っていってしまうし、止まってはくれない。本当に組織と決着がつくのか不安になってしまう。

ひらひらと舞い落ちる落ち葉を1枚とり、私は深いため息をついた。

❉

「Aさん、待ってたわ」

阿笠邸に到着すると、中から哀ちゃんが出迎えてくれた。
今日は阿笠さんは用事でいないとの事で、哀ちゃんと2人きり。ちょっぴり新鮮な気分だ。

リビングへ招かれると、彼女はいつものソファに座るよう促した。

「ここ、座ってて」

そして、"ちょっと待っててちょうだい"と奥に姿を消したかと思えば、しばらくしてお盆に2つのティーカップを乗せて現れた。彼女は私と向かい合うように座ると、コトリと目の前に琥珀色の紅茶を置いてくれた。

「わざわざありがとう、哀ちゃん」

「いえ、ごめんなさいね。急に呼び出してしまって」

彼女はそう言うなり、おもむろにポケットからピルケースを取り出した。テーブルに置かれたそのケースの中には、いくつかの錠剤やカプセル剤が所狭しと入っている。

薬……？哀ちゃん、どこか具合が悪いのかしら

私がその薬たちに気を取られていると、ティーカップに口付けながら彼女の口がゆっくりと動いた。

「さっそく本題なのだけど、江戸川く……いえ、工藤君からあなたのこと、全て聞いたわ」

何かを打ち明けるような落ち着いた声に、私はパッと視線を彼女に戻す。

………え？今なんて

危うくそのまま聞き流すところだった。
彼女は確かに今、コナンくんのことを"工藤くん"と呼んだのだ。