清純の真実･後編《名探偵コナン》 (ページ39)

今日:42 hit、昨日:79 hit、合計:20,196 hit

𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟹𝟾 ページ39

.

そして奥穂駅付近で待機をはじめてから18時間後、ついに事態は動き出した。

ちょうど時刻は午後6時をまわった頃。駅には、多くはないが仕事帰りのサラリーマンがまばらにいる。
一瞬、こんな人通りのあるところで……と思ったが、前回はショッピングモールでの襲撃だった。だから、組織の任務としてはターゲットを仕留めることが最優先なのかもしれない。

「おい工藤……まだヤツは来んのか？やっぱ場所間違えたんとちゃうか？」

「んなわけねーよ。奴らは今日絶対ここに──
───おい待て、誰か来る！」

オレたちが話をしている最中、駅の改札から黒ずくめの男が姿をあらわす。見慣れない顔のその男は、辺りをチラチラと気にする素振りを見せていた。
そしてその男がスーツの着崩しを直したとき、何か黒光りする塊が一瞬見えた。

あれは拳銃……！
やっぱりコイツ、組織の人間で間違いねぇ！

すぐに物陰に隠れていたジョディ先生と目配せをする。

その男はオレたちのことなど気にする素振りもなく、駅近くの路地を入っていった。
どこに行く気なんだ、まさかターゲットがそこにいるのか。

「……よし、追うぞ服部！」

「ああ！」

先を行くオレたちの後を、他の捜査官も拳銃を片手に男の後を追う。組織の下っ端かは知らないが、ここで奴を逃したら全てが水の泡だ。