清純の真実･後編《名探偵コナン》 (ページ4)

今日:23 hit、昨日:79 hit、合計:20,177 hit

𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟶𝟹 ページ4

.

でも、まさか彼から惚れ込まれているとは夢にも思わなかった。
先程のように冷たくあしらわれることもあれば、突き放されることも。それに拳銃を向けられることだって。優しい言葉や態度なんて見せたことは殆ど無いに等しい。

"一体いつから……"と何も言えない私を前に、彼はそのままの面持ちで言葉を漏らした。

「………ここ数日、考えていたことがある」

それは、いつもよりずっと低くて抑えた声色。
一瞬緩まった空気が再び引き締まり、雰囲気だけで彼がこれから話す内容が只事じゃないと察した。今度はいったい何を告白するつもりなのか。立て続けに襲い掛かる事態に再び困惑する私が話の続きを促すと、彼は慎重そうに口を開いた。

「俺はこれから───」

───そしてその続きの言葉を聞いた瞬間、私は肝をつぶすことになる。
なぜならば、それは私たちの関係を進展させる上であまりにも大きすぎる1歩だったのだから。おそらく、それぞれの人生に関わるであろう規模の。