清純の真実･後編《名探偵コナン》 (ページ27)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟸𝟼 ページ27

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私がその声に振り返ると、向こうから走ってきたのはコナンくんだった。そしてその隣には見慣れない褐色肌に太眉が特長の少年。後で知ったことだが、この少年は服部くんというらしい。彼もまた、新一くんと同じ高校生探偵なのだという。

そんな彼らは、封鎖されていたバリケードテープをなんの躊躇いもなくくぐり抜けて現場に踏み込んできた。

「……Aさんに安室さん！なんでここにいるの？」

「それはこっちの台詞さ、コナン君。君こそどうしてこんな所に来たんだい？」

突然の乱入者に慌てる鑑識さんを気にせず、会話を交わすコナンくんと安室さん。安室さんが今投げかけた質問に答えたのは、服部くんだった。

「お偉いさんが殺されたゆーて駆けつけてきたんや！今、関西で富豪の連続殺人が起こっとるんは知ってるやろ？おそらく今回の事件、その同一犯によるもんやと思うで」

その理由にさほど驚くこともなく、そうでしたか……と言う安室さん。
しかし、以外にも服部くんの言葉に反応したのは刑事さんの方だった。話を聞いた瞬間、"まさかあの連続殺人の……！？"と目を見開き、事の詳細を教えてほしいとせがんできたのだ。

そんなわけで服部くんが刑事さんと話をしている間、すっかり探偵モードになったコナンくんは辺りを捜索したり鑑識さんに質問したりしていた。やっぱり彼もダイイングメッセージであるあの血文字が気になるらしく、何やらメモをしている。

当の私はというと、何もすることがなくこれからどうしようか悩んでいた。
その時、そんな私の横をちょうど1人の警官がすり抜け、"あの、ちょっといいですか……"とお話し中の刑事さんの肩を叩いた。

「今、周辺の人物に聞き込みをしていたところ、この3つ上の階のエレベーター付近でライフルを持った女を見たとの情報が」

「……！なに、ライフルだと？で、その女の特徴は！？」

「それが……目撃者曰く、全身黒ずくめで赤茶の髪だったそうで。女は狙撃したした後にすぐ逃走したとのことです」

黒ずくめに赤茶の髪の女…それにライフル……

その特徴に、とある人物の姿が私の頭に浮かぶ。でも、思い当たる節があるのは私だけじゃないはず。

チラッと目線をコナンくんに向けると、案の定彼の顔色は一瞬で変わっていて。そして彼はその警官の話を聞くと、すぐ近くのエスカレーターを駆け上っていった。