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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟸𝟺 ページ25

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「「銃声……!?」」



私と安室さんの声が綺麗に重なり、お互いに顔を見合わせる。



「何かあったのかも……行きましょう、Aさん!」

「は、はい!」



突然の事態に2人してガタッと席を立ち上がる。その際に、"あの、お客様。こちらは……"とお盆に私が注文したパフェを乗せた店員さんに話しかけられたが、それどころではなくなってしまった。
私は店員さんとお会計を後で払う約束をして、店外へ駆け出した。







いったいどこから……


銃声は近くから聞こえたし場所はそう遠くないはず。
キョロキョロと辺りを見回していると、"Aさん、こっちです!"と安室さんが呼んだ。彼の指さす方向を見ると、すでに野次馬がガヤガヤと群がっていて。


"うそ、殺人……!?"

"今の銃声でしょ?ちょっと、どうなってるの!"


四方八方から聞こえるどよめきに、"ちょっとすみません"と言いながら人混みをかき分ける。

そして人波をうまくくぐり抜けた目線の先にいたのは、胸から血を流して倒れている男性。そして、その隣で"旦那様……"と怯えるように呟いている老紳士だった。



「あのっ!何があったんですか……!?」



急いで私がその老紳士の元へ駆け寄ると、彼は震える手で倒れた男性を指すだけだった。



「旦那様…旦那様が………!」



その取り乱した様子に、今はまともに話は聞けそうにないなと判断する。私はひとまず彼から離れ、先に男性のそばで脈を測っていた安室さんに近づいた。



「安室さん、今すぐに警察と救急車を呼びますね!」

「……いや、救急車は必要ありませんよ。この男性、撃たれて即死とみて間違いありませんから」



安室さんは男性の首元に手を当てながら、"瞳孔も開いてますし……"と告げる。


ここで私は、現場の状況を改めて確認した。

まず、被害者である男性。ハイブランドのスーツに上質なネクタイ。そして近くで転がっている革使用の鞄。身につけているものから予想するに、この人はただの一般人ではない。明らかに上流階級の人だ。そして、彼を旦那様と呼ぶあの老紳士は執事と考えるのが妥当というところ。


……あれ?手の近くに何か書いてある


私が更に観察をしていると、横たわる男性の右手付近に何か赤色のものが見えた。
よく目を凝らしてみるとその正体は、指で書かれた《う゛》の文字。確認のため男性の指先を見ると血が付着しており、この文字は彼が死ぬ間際に書き残したダイイングメッセージだとわかった。

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設定タグ:名探偵コナン , 黒の組織 , ジン   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年12月9日 22時

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