𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟷𝟼 ページ17
.𝙲𝚘𝚗𝚊𝚗 𝚂𝚒𝚍𝚎
学校から帰ってきたオレは、1人探偵事務所にいた。
おっちゃんは麻雀をしにいって留守だし、蘭はまだ学校。
どうすっかなぁ……
今日は元太たちと遊ぶ約束もしてないので時間がある。
何もすることもないので事務所の中で時間を持て余していると、タッタッタッとやけに軽い足取りで誰かが階段を駆け上がってきた。大方、蘭が帰ってきたのかもしれない。
「ただいまー……って、あら?コナンくん、お父さんは?」
ガチャリと開いたドアに振り向く。
やはりオレの予想は的中した。事務所の中を見渡す蘭は、さっきの足取りといい今日はどこか楽しげな様子。何かいいことがあったんだろう。
「おじさんなら、友達と麻雀しに行くって言ってたよ」
「えー、またお父さんいないの?せっかくいい話があったのに……」
はぁ……と落胆するように肩を落とす蘭。オレはその様子も相まって、蘭が今言った"いい話"が気になり聞いてみることにした。
「どうしたの?蘭姉ちゃん。いい話って……」
「え?あ、うん、それはね──」
そう言いかけながら、蘭がポケットから3枚の小さな紙を取り出す。"見てコナンくん"と言われて視線を落としたそれは、ただの紙ではなく金粉で縁取られたいかにも高級そうなもの。何かの招待状かなんかだろうか。
「これって、招待状……?」
「そう、園子が私たちにくれたの!資産家パーティーですって」
さらに聞いてみれば、おっちゃんや探偵団の子どもたちも招く予定なんだと。もう園子からは何度もパーティーに招待されているが、資産家のパーティーとはさすがは鈴木財閥……と圧倒される。
その規模のパーティーをかなり楽しみにしているのか、オレに説明している間も蘭は嬉しげに頬を緩ませていた。
「今ね、下のポアロでAさんも誘ってきたの。まだ行けるかはわからないって言ってたけど、もし来れたら嬉しいわねー」
"くれぐれもなくさないようにね"と何度も念を押されながらオレはその招待状を手渡された。
そんな大規模なパーティーを開催するなんてどこの資産家なんだ、と気になって主催の名前を見ると、奇妙な漢字が並んでいた。
𠄌代 実凛……聞いたことねー名前だな
オレが資産家に疎いからかはわからないが、かなり独特な名前だ。聞いたことがないだけで、実際は有名な人物なのかもしれない。この高級そうな招待状からなんとなく察しがつく。
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年12月9日 22時