𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟷𝟹 ページ14
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「──で、どうしたの?園子ちゃん」
席を着いて早々、私が話を振ると園子ちゃんは再び目を輝かせた。
「実は、資産家のパーティーに呼ばれたんです!」
「!し、資産家……でも園子ちゃんって財閥のお嬢様だし、パーティーなんて今までたくさんあったんでしょう?どうしてこんなにはしゃいで……」
私が今まで少年探偵団の皆から聞いた話では、ツインタワービルやクルーズ船に始まる大規模なパーティーの数々。特別待遇枠として参加している彼らは別として、おそらく一般人では無縁の場所。そんなパーティー慣れをした彼女がこんなにも興奮しているなんて、いったいどんなものなんだろう。
「……それが、今までとは比にならないくらいの規模なんです!なんでもその主催者が大富豪で、広大な別荘でのパーティーみたいで」
園子ちゃん曰く、それは日本中の資産家や財閥などのお金持ちを集めたパーティーらしい。さらには、日本以外の国々の人も来るのだとか。
あまりにも縁のない場所に、私はどのような反応をしていいかわからず。ただ、その規模が大きいことだけがわかった。
「それは……なんていうか、凄いパーティーね!」
「そうなんですよ!だから今日は、その特別待遇枠にAさんも招待しようと思って!」
そう言うなり、隣に置いていた鞄からパッと1枚の紙を取り出す園子ちゃん。金縁の装飾がなされたそれは、俗にいう招待状というやつだ。
わ、私が……そのパーティーに?
"どうぞ"と差し出された招待状に何度も瞬きをする。
私は園子ちゃんたちと仲良くしているだけの一般人。それに、この間彼女からトロピカルランドの招待券をもらったばかり。私よりも、彼女が学校で仲良くしている子達と行った方が楽しいのではないのだろうか。
「えっ……私が?嬉しいけどわるいよ、そんな」
招待状を貰うのに戸惑っていると、それまで静かに事の成り行きを見ていた蘭ちゃんがゴソゴソと鞄から3枚の招待状を抜き出した。
「……私も園子から貰ったんです。それにコナンくんとお父さんのぶんも」
その蘭ちゃんに被るように、"あとでガキンチョたちにもあげる予定なのよ!"と園子ちゃんが言う。
コナンくんや、探偵団のみんなも一緒なんて豪華なメンバー。しかもパーティーだなんて1度も行ったことがない。
しばらく渋っていたものの、行ってみようかなぁという気持ちが勝り、最終的に私はその招待状を受け取った。
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年12月9日 22時