清純の真実･後編《名探偵コナン》 (ページ11)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟷𝟶 ページ11

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でも、私が警察学校時代に耳にした組織が薬を作っている噂は本当だったんだ。
ならば、組織はなぜ薬を開発しているんだろう。その目的は全くわからない。

「……工藤君は私が開発した薬──APTX4869の最初の投与者だったの」

APTX4869……それが薬の名称らしい。アルファベットと数字を混ぜ合わせたいかにもな名前だ。哀ちゃん曰く、被験体のマウスが子どもに戻ったため、かなり前の時点で新一くんの幼児化に勘づいていたという。

ところで無事組織の手から逃れた今、彼女はいったい何をしているのか。気になった私は尋ねることにした。

「それじゃあ、哀ちゃんは今何をしているの？」

「……私はその完全な解毒剤を作っているの。今ある解毒剤は、一定時間だけ元の姿に戻れるっていうものだから」

彼女がピルケースの中から、青いカプセル剤を1つ摘む。
そんな小さな薬で姿が変わってしまうなんて、どんな成分が入っているのやら。話を聞くに、アポトーシスの偶発的な作用によって細胞が後退化するというけれど。
彼女によれば、その完全な解毒剤は完成するまでまだ時間がかかるそうだ。