清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ48)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟺𝟽 ページ48

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そんな特別なパフォーマンスを披露してもらった後、私たちは犬山さんの個室に通された。
畳１畳ほどしかない常設された小部屋で、私たちは彼女からパフォーマンスやスターになった経緯などの話を聞いた。

「───で、そんなこんなで私たちアニマリーズは名を轟かせられたってわけ！」

そう一通り話すと、彼女はキリの良いところで締めくくる。
やっぱりここまでこれた流れは苦難の連続だったらしく、彼女はメンバーとの衝突やトラブルの耐えない時期があったと教えてくれた。

人生山あり谷あり
でもこうして有名になったのはすごいなぁ…………あら？

彼女の話に耳を傾けていると、ふと私の鼻を何かの匂いがくすぐった。
フワフワとした、煙草っぽい独特な匂いが。

「あれ……春さん、煙草やってましたっけ？」

園子ちゃんもその匂いに気づいたみたいだけど、犬山さんはコホコホと軽く咳き込みながら首を横に振った。

「ないない、やってないよ！でも、たまに煙くさい匂いが漂ってくるんだよね……多分ここの作業員か、山下と蛇塚君が近くで吸ってるんだろうけど」

勘弁してよね〜と苦い笑みを浮かべる彼女。そしてそのまま壁の方に目線をずらすと、"あ、もう時間！"と声を上げた。

「ご、ごめん……！本番まで30分切ったみたいだから、もう準備しなくちゃ。もっとおしゃべりしたかったんだけど」

「あー、そうなんですね！いえいえ！色々なお話が聞けて楽しかったです。………ねぇ蘭、私たちもそろそろ失礼したほうがいいかも」

「それもそうね。長くいちゃ悪いしね」

蘭ちゃんと園子ちゃんは顔を見合わせると、"本番まで外でゆっくりしてましょ"と私とコナンくんに告げた。