清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ46)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟺𝟻 ページ46

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「もう出しちゃっていいっすよー！」

私たちの背後から山下さんが裏方の方へ声をかけると、天井からｷﾞｷﾞｷﾞ……と何かが軋むような音が。
そちらへ目を向けると、上から丸い輪がゆっくりと壇上へ垂れてくる。そして彼がその輪に近づきライターをかざすと、ボゥッ……と赤い炎が一瞬にして燃え移った。そんな彼の隣にはこれまた立派なトラの姿。燃え盛る火の輪にトラ……それはまさに、絵に書いたような火の輪くぐりの光景だ。

「……よし、行け！」

そして彼がトラの脇腹あたりを軽く叩くと、トラはそのまま猪突猛進で輪まで駆けてヒョイっと軽々と飛び越えた。立派な体からは想像できないような身のこなし。その飛び越えた時の熱風が、ステージ脇の私たちにまで届くのだから驚いてしまう。

「「「すっご〜い！！」」」

私や園子ちゃんたちの声が綺麗に重なると、次にサル──チンパンジーがテケテケとポメラニアンと共にステージに現れた。
そして一定の場所まで歩いてくると、そのチンパンジーはなにやら手を動かして何かの指示をしていた。ポメラニアンもその仕草にあわせて次々と体勢を変えている。

なんだろう、あれ…………あっ！

私がよく見ようと前のめりになると、ある1つの事に気づいた。
なんと、そのチンパンジーはポメラニアンに"おすわり"や"ふせ"の指示を出していたのだ。

「へぇ〜……人間じゃなくて、サルでもイヌの躾が教えられるのね〜」

人間ではない動物の指示にもしっかり従うポメラニアン。
その様子に私が思わず関心していると、横に座っていたコナンくんが反応した。

「……チンパンジーはDNAの99%が人間に似ているっていわれてるんだ。自己認識もできて、他のサルよりも頭がとてもいいんだよ！」

流石は物知りコナンくん。どうやらこのパフォーマンスは特定の動物でないとできないらしい。色んな動物たちが個性を活かして披露しているのだ。