清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ45)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟺𝟺 ページ45

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幕が下ろされているステージは、やや暗い暖色のスポットライトに照らされていた。

そんな中、犬山さんの肩越しに見えたのは、ステージ中央で背を丸めて座っている男性の姿。どうやら何かに対して教え込むようにブツブツとぼやいているみたい。

「ちょっといい？川田くん。この間言ってた園子ちゃんとそのお友達が来てるんだけど」

犬山さんのその言葉に"川田くん"と呼ばれた男性が振り向くと、同時に彼の手元から小さなサルが飛び出してきた。私たちが山下さんにしたのと同じように挨拶をすると、彼は不器用そうに笑みを浮かべつつ名乗ってくれた。彼は、本名を川田将猿さんというらしい。彼もまた有名なパフォーマーだ。
犬山さんが、川田さんにこれから予行練習と称してパフォーマンスを披露すると説明すると、彼は了解の二言で舞台裏に歩いていった。

「……じゃ、私も準備するから待っててね。多分、そんなに時間はかかんないと思うから！」

彼女もまた明るくそう言うと、スタスタと舞台袖に消えてしまった。

その場に取り残された私たち4人は、腰かけるのもないのでとりあえずステージ端にしゃがみこんだ。
思えばこんな間近でショーが見れるのは凄いこと。今回は園子ちゃんのお陰で見れるのだけど、もうこんな機会は二度とないかもしれない。

「……有名スターとお話したり、直々にショーが見れたり。これって中々ないことよね。園子ちゃん、本当にありがとう」

「ううん、気にしないで下さい！私もまさか2回もパフォーマンスが見れるなんて思ってなかったし……」

本番も楽しみですね！と園子ちゃんが続ける。
蘭ちゃんも私と園子ちゃんの会話にうんうんと頷いて、隣のコナン君に話しかけた。

「本当にそうですよね〜！……ね、コナン君も楽しみだね」

「うん！色んな生き物のショーなんだよね？ボク、とっても楽しみだよ！」

そう言うコナン君は満面の笑みを浮かべていた。
そんなこんなで、私たちがそれぞれ胸を高鳴らせていると、やがて舞台袖から何人かの足音が聞こえてきた。