𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟺𝟹 ページ44
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ここにいるのは犬山さんと蛇塚さん、そして山下さんの3人。
でも、ずっと前にネットで調べた時は5人のパフォーマーが出演すると書いてあったはず。じゃあ残りの2人はなんでいないんだろう。
そう疑問に思った私は、直接聞いてみることにした。
「あの、犬山さん。もう2人の方たちは……」
「……あぁ!川田くんたちのこと?彼なら、もう向こうで予行練習をしているわ。で、実はもう1人の子は今入院しているの。この間のパフォーマンス中のちょっとした事故でね」
"事故"というワードに犬山さんを含め、他の2人も目元に影を落とす。なんだか変なことを聞いてしまったかも。それに事故で入院だなんて軽傷程度ではなかったんだろう。すみません、変なこと聞いちゃってと眉を下げれば、いいのいいの!と肩をポンポンと叩いてくれた。
そして、そんな暗くなった空気を消し飛ばすかのように、犬山さんは笑みを携えて私たちにあることを提案した。
「……そうだ、せっかくだから練習風景でも見ていく?こんな狭い廊下じゃなんだし」
「そうだな。開演までまだ時間があるし……リハーサルも兼ねていいんじゃないか?」
山下さんも賛同するように頷く。"ショーも特別に見せてあげるよ"と言われて、特に断る理由もない私たちは、ぜひ!と2つ返事をした。
そして私たちの返事を聞くと、犬山さんは通路を一直線に抜けて舞台袖まで連れていってくれた。
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年7月29日 16時