清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ34)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟹𝟹 ページ34

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その画面に写っていたのは、やや赤みがかった茶髪のウェーブの女の子。彼女が着ているのは私とお揃いの淡い色のワンピース。しかも、この写真の背景はあの博物館のもので。

「あ……哀ちゃん！？」

ハッとして口を押さえたときには時すでに遅し。出来ることなら、つい反射的にでしゃばった口を縫い付けたい。
そんな私の様子を見た陣は、少し驚いたように顎に手を寄せた。

「ホォー……大方、知り合いだろうと目星はついていたが、まさか本当にそうだとはな……」

「ね、ねぇ、この子をどうする気なの？何か危害でも加える気？」

「なんだ、取って食いやしねぇよ……少しばかし気になることがあっただけだ」

その彼の言葉はどうしても信じられなかった。

彼がたったこの事だけで私の元に来るだろうか。もしかしたら、本当に哀ちゃんは組織と何らかの関係があるんじゃないのか。ついこの間、阿笠邸でコナンくんと話したとき、彼女は陣のことを知っているような素振りだったし。

何よりも気がかりなのは、今の彼の怪しげな表情。まるで何かを企んでいるみたいに、その口角は三日月に吊り上がっている。

もしかして何かする気じゃ……！

その彼の危うい様子に、"もう用は済んだ"と立ち去ろうとした彼の腕を引っ張った。

「待って……その子も含めて、私に関わった人には絶対に手を出さないで！」

「…………あ？そいつは悪いが、絶対とはできねぇ約束だ」

……ほら、やっぱり。
罪のない人たちが危険に晒されるのは、誰であっても見過ごせない。それに、このまま彼を野放しにしてしまえば何をしでかすか本当にわからない。冷酷な彼のこと。最悪の場合、みんなの命が危険に晒されるかもしれない。

今の彼を引き止めるには、もう奥の手しかないだろう。

「もし……もし、知り合いの誰かに手を出したら、組織について知ってることを全部広めるから。私は組織のことはちょっとしか知らないけど、まだ存在が表に出てないなら──」

"かなり大きなことに繋がると思うの"

そう言い切ってしまおうとしたけど、私は口を閉じた。
なぜならば彼が懐に手を入れたからだ。