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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟹𝟶 ページ31

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1週間後……


それは突然に起きた。


今日もいつものように私はポアロから帰路を歩いていた。トロピカルランドの日程も決まり、その当日はあと2週間後にせまっている。
テーマパークなんて楽しみだな〜なんて楽天的に思いながら、私はアパートについた。そして扉の鍵穴に鍵を挿した時。


ガチャリ


あれ……?


普通ならこの時点で扉が開くはず。そして私は、ただいま〜と言いながらベッドにダイブするのだ。しかし、その扉は逆に施錠されてガタガタと音を立てるだけだった。つまり、この扉はもともと鍵が開いていたというわけで。
おかしい……外出するときは、いつも必ず施錠しているはず。それなのになぜ扉が開いているのだろう。そんな気味の悪さに虫唾が走った。

そういえば最近、大家さんから聞いたような気がする。この近くで空き巣があったと。



「こ、これって………これって、も、もしや強盗!?」



もしかしたら、私の部屋は強盗犯たちのターゲットにされてしまったのかもしれない。こんな部屋に価値のあるものがあるとは思えないけど、強盗犯にとっては何かお目当ての物があったのかも。それに鍵穴にはピッキングされた痕跡もなかった。これは相当手慣れている犯行だ。


で、でも私がたまたま閉め忘れちゃったのかもしれないし……


そう淡い期待を抱き、私は再び鍵を挿して抜き足差し足で室内に入った。ダンボール箱がなくなっていくらか広くなった廊下を進む。実はあのダンボールの山は、一昨日になって綺麗にしたばかり。


そんな廊下を抜けてリビングに出ると、私の行く手を遮るように暗闇からぬっと黒い影が出てきた。



「!ぎゃ、ぎゃぁぁぁー!!」



唐突に出てきた大きな影に、私から色気もなにもない素っ頓狂な声が飛び出す。そして次の瞬間、私の声がうるさかったのか顔を覆ってしまうくらいの大きな手で押さえられる私の口。
"やっぱり強盗だったんだ!犯人が潜んでいたんだ!"と、改めて自分の不運を嘆いたがそれどころではない。助けを乞おうと口を開いても、手で塞がれてしまっているため、"んぐー!"と籠った声しかでなくて。いっそのこと噛み付いてしまおうかという強行突破な行動に移そうかと思ったけど、逆上されそうなので止めた。

そして私が手足をバタバタとさせようとしたその時、フワリと嗅ぎ覚えのある煙草と硝煙の匂いがして、おずおずと顔を上げた。これはもしや、例の彼なのではと思って。

𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟹𝟷→←𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟸𝟿



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設定タグ:名探偵コナン , 黒の組織 , ジン   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年7月29日 16時

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