清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ29)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟸𝟾 ページ29

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「……そのファイルに付着していた指紋を調べたところ、君のものだと判明した。つまり、君があの事件について何か知っているんじゃないかと思って聞いたまでだが……」

「あ、いえいえ。少し前に担当していた事件と酷似していたので調べただけでして。特に何か知っているということでは……」

お力になれなくてすみません、と頭を下げる。私の答えに納得したのかしなかったのかはわからないけど、管理官は"そうか"とだけ呟いた。
なぜそんな前の事件を気にしてるのか、私が逆に質問したい。あの事件について何か探っているんだろうか。わざわざファイルに触れた人物の指紋を調べるくらい。きっと大きな何かがあの事件には纏わりついているのだろう。あまり模索はしないでおこう。

それから管理官は他の話をする訳でもなく、警部に話を振ってしまった。

「……私の話は以上だ。目暮、後は任せた」

「わかりました。ではA！今までご苦労だった。もし復帰することがあれば、いつでも相談に乗るからな！」

警部に肩をポンポンと叩かれる。復帰するのはかなり先の話だと思うけど、警部の言葉をありがたく受け取ることにした。

去り際に"失礼しました"と一礼すれば、警部とは反対に管理官は相変わらず硬い表情のまま。そのダークグレーの目が細まって、軽く睨まれたような気さえする。

黒田管理官……なんだかわけありって感じね

沖矢さんにしても管理官にしても、私が最近知り合ったのは不思議な人たちばかり。それにどこか大きな事情抱えているような気がする。これは私の思い過ごしなんだろうか。今はまだわからない。

新たな人物との出会いにいくつかの疑問を抱きながら、私は警視庁を後にした。