清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ18)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟽 ページ18

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「あ……いけない、もうこんな時間！」

時計の針は9時ちょうどを指していた。こんなに遅くまでいたら迷惑になるだろう。それに明日はポアロがお休みということでもないし、早く家に帰らなくちゃ。

私がバタバタと帰る支度をすると、ふとコナンくんが服の裾をグッと引っ張った。

「ねぇAさん……警察官、続けるの？」

"いけない事をしてしまったのに"とコナンくんは言わずともその顔が物語っていた。正義感の強い彼にとっては許し難いことだろう。でも大丈夫。そんなのわかってるもの。

「ううん……退職届を出すつもりよ。今日ね、コナンくんたちと話して改めて自分が犯したことに向き合えたの。このままじゃ、警察官なんて続けられないよ。だからありがとう。コナンくん、哀ちゃん」

そう、私はこの職業から身を引くことにした。十数年も身を置いていた場所から離れるのは思うところがある。けれども、いずれこうなる日が来ると覚悟していた。そして、これからは数少ない情報網から組織について調べていこうと思う。たとえそれがどれほど時間がかかろうとも、きっといつか組織に辿り着くことができるはず。

「いや、気にしないで……ボクもまだAさんに言えないことがあるから」

「えぇ、私もよ。いつかは話すでしょうけど」

コナンくんと哀ちゃんが交互に言う。
私を見つめる2人の心理はわからなかった。少し複雑そうな、でも納得したような。でも、彼らについて更に深く知るのはもう少し先だろう。この時の私はなぜかそう思ったのだ。