𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟹 ページ14
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「………この人とAさん、どんな関係なのかなって」
コナンくんはそう言いながら、手に握っていた固形物をテーブルに出した。ストラップの付いたそれは間違いなく私の古い携帯で。
これって……私の携帯！
そして、彼はいとも簡単に私の暗証番号を入れていく。"さすがは博士、もうパスワードが開けたのね"なんて能天気だった私はとある画面を見せられて固まった。
「この黒澤って人のことなんだけど」
受信したメールボックスに連なる同一人物の名前。その3月31日付けのメールの量は恐ろしい程に多く、ただひたすらに続くのは怒涛のメールラッシュ。昨日、陣が私が銃撃された後に連絡をしたと言っていたのを思い出す。彼は態度には絶対出さないけど、この心配するような内容に思わずポロリと言葉が漏れた。
「こんなに心配してくれてたなんて……」
「………その様子だと、記憶が戻ったんだよね」
「うん……つい昨日にね」
特に隠す理由もないため、私は2人に記憶が戻ったことを告げた。
「……その黒澤って人とどんな間柄なのか、ボクたちにとってはかなり重要なんだ」
「えっ……そんなこと、どうして知りたいの？重要な事って言っても……もしかして彼について何か探っているの？」
私の問に何か言いたげにコナン君が下唇を噛む。何か言いたいことがあるらしいが、けれども彼は私の疑問には2つとも答えず。
「それは今はまだ答えられないんだ」
「そうなのね……でも、何か理由がない限りそう簡単には教えられないよ」
だって陣は普通の人じゃない。裏社会の人間。こんな子どもが何か知ったところでいいことは何一つない。それに彼について教えれば、コナンくんたちが悪いことに巻き込まれてしまうかもしれない。
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作者名：匿名希望
| 作成日時：2023年7月29日 16時
