清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ11)

今日:52 hit、昨日:101 hit、合計:44,197 hit

𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟷𝟶 ページ11

.

翌日……

チュンチュンと鳴く雀の囀りに耳を傾けながら、私はポアロまでの道を歩いていた。

警視庁に行って復帰しようかと思ったものの、表向きでは殉職したことになっているため行こうにも行けず。とりあえず、警部から何か連絡が来るまで大人しくしていることにした。

という訳で私は今まで通りポアロへ出勤している。

カランカラン

扉を押し開けると、辺りに響くお馴染みの軽いドアベルの音。

「おはようございます」

「あ、Aさん！おはようございます」

カウンター越しに覗いた梓さんが笑顔で挨拶をしてくれる。今日は彼女が一番乗りだったらしく、すでに開店の準備をしていた。
シンクに立つ梓さんに、手早く身支度を終えてサポートをしようと駆け寄ると、彼女はお皿を拭く手を一旦止めた。なにやら話があるらしい。

「あの、Aさん……少しお話いいですか？」

「あ、はい。どうされたんですか？」

少し深刻そうな面持ちの梓さん。なにがあったんだろう。もしかして食材が足りないとかなんだろうか。それなら私が買い出しに行ってこれるけれども。

しかし私のそんな予想は外れたようで、次の彼女の一言に大きく驚くこととなる。