清純の追憶･前編《名探偵コナン》 (ページ40)

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私はその話を聞くと"え！"とおもわず声を上げた。そして彼女の話しを遮ると、急いで手帳を取り出した。

「あの、その組織について何か知ってることってある？もし何かあったら教えてほしいの……！」

「なに？あんたもあの組織を追っかけてるの？」

「まぁ、そんなところ…！私もその組織について知りたいんだけど……」

"因縁があるの"と言うと、彼女は私から何かをくみ取ってくれたよう。う〜ん、と思い出すように目を細めてから話してくれた。

「……組織の正式名称は知らないけれど、父は黒ずくめの組織って言ってたわ。父曰く、国際的に活動している犯罪組織らしくてね。目的が何かはわからないって言ってたけど……どうやら変な薬の開発をしてるとかなんとか」

私は手帳を開いて、"黒ずくめ""国際的な犯罪組織""薬の開発"……と今聞いたことをメモする。これが組織を倒す鍵になるかはわからないけれど、知っている分に損はないだろう。
私がささっとペンを走らせ終えると、彼女が一息ついた。

「私が知ってるのはこのくらいよ。なんてったって、本当に謎に包まれた組織らしいから……」

そこまで言うと、"それじゃあ私は用があるから"と彼女は席を立った。

「うん、ありがとう!少しでも知れてよかったよ」

私はお礼を言ってから、一通りメモの内容を確認して手帳をしまった。

黒ずくめの組織。その正体は、その目的はいったい……
きっと、私が倒そうとしている組織は私が思ってるより大規模なものなのだろう。国際的というのだから尚のこと。もしかしたら、壊滅させるまでに何十年もかかるのかもしれない。
けれども絶対に倒さなければ。そのために警察官になったのだから。

そう改めて覚悟を決めると、私は参考書へ再び目線を落とした。