【wrw r/d】ワールド･アヴェンジャーズ【軍パロ】 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:5,360 hit

◆お隣さんに小さなエールをページ5

・

チーノくんのおかげでどうにか会場に着いた。

暫くして筆記試験が始まる。

周りは男の人ばっかりで女の人は数人しかいない。

去年は、女性の志願者がわりと居たらしいんだけどなあ、とぼんやり考えた。

筆記の内容は、全体的に簡単すぎず、難しすぎず一般的なものが多い。歴史からちょっとした計算までミックスされている。

多少難しい問題もあるが、ある程度取れていればいいだろう。

隣のガタイの良い男の人は、少し時間が少し経つとペンを置いて頭を抱えている。

「……っ」

横を見ることは出来ないが、隣の男の人は相当筆記に自信がないらしく、とても小さく唸り声が聞こえる。

頑張れ、お兄さん。

筆記はダメでも実技や技術の方で、頑張れば多分いけるよ！多分！

この試験のために泊まっている旅館の若い女将さんの弟がこの軍に所属しているらしい。その女将さんから昨日聞いたことを思い出す。

「うちの弟は筆記は駄目駄目だったけど、足が相当早いのと銃の才能が幸いあったから入れたらしいんですよ？」

確かそんなことを言っていた。こういった話はよくあり、この街でも有名らしく色々と話してくれたっけ。

横の人もきっと筆記じゃなくて、実技もしくは技術の方に賭けている人なんだろう。

この軍の採用試験は筆記、実技、その他技術に別れている。しかも女将さんの話や調べた所によると、どれか1つがある程度出来なくても問題ないとか何とか。

今日行われる様々な内容の試験で、何かしらの見所や素質があれば今は出来なくても、入軍後に伸ばせば良いという方針らしい。

勿論優秀なことに越したことはないが、そう云う人も採用されるのは珍しい。

「変な軍よねえ」なんて笑っていた女将さんを思い出した。

私は採用されるのだろうか。筆記はまあそこそこだろう、手応え的には。実技も内容によってだが、体術系は得意だ。技術は、未知数だ。

でも、今日の試験でやってみて試験官から見込みありそう判定を貰えたらワンチャンあるので、何事もチャレンジなのだろう。

だから、横のお兄さんも頑張れ！と勝手に心の中でエールを送りながら、問題を解いていった。