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「あれ、保健室の先生居ないね」
「ほんまや、ペ神どこ行ったんやろ」
この学校の生徒はよく保健室の先生のことを「しんぺい神」だの「ペ神」だの言う。
本名はまるっきり違うのだが、誰かがそう呼び始めそれがそのまま広まってしまったらしい。
まあ私が小学生の時に居た先生も何故かクワガタ好きじゃないのに「くわがた先生」などと呼ばれていたし、あだ名なんてなんでそうなったか分からないものも多い。
「まあ、そこのベッド空いてるし、使っていいと思うよ。来室記録は私が書くし、先生へのメモも書いとく」
「おん、ありがと…」
「……うん」
結構しんどかったのか、鬱君の声はすぐに聞こえなくなる。女の霊は鬱君が使っているベッドのすぐ脇に棒立ちしている。
うーん、これ生霊だよなあ。
と、何となく判断はできる為、チラ見しながら考える。
あ、カーテン閉じないとと、見えないふりを決め込んで女の幽霊と鬱君の間にあるカーテンをシャっと閉めた。霊は特にそのことを気にするでもなくぬっと通り抜けて入ってくる。
この幽霊的には私は"見えない子''だと感じているんだろうな。じゃなきゃ、もっと何かしてくるもんね。
「……ん、うぅ」
先程と顔色が変わらない鬱君は魘されているのか時折呻き声をあげている。この前もその前も全然違う女の霊に憑かれていたのは見たが、今回のはかなりヤバいだろうな。原因は彼の女遊びだね。
「はあ」
ため息が出た。
「私、あんまり得意じゃないんだよねえ」
何が、とは言わないが、スカートのポケットから小さながま口のポーチを取りだし開ける。そこに入った白い紙は見る人が見なければ、ただの紙だ。
『…ふう、…＿＿＿』
ｷﾞｬｱｱｱ
兄に教えてもらった兄曰く簡単な除霊。
私にとってはあまり簡単では無いけれど、幽霊がどこかへ吹き飛んだみたいなので成功みたいだ。
あとは手に持った紙を鬱君の制服の胸ポケットにそっと忍ばせた。
「…お大事に」
女遊びさへしなければ、彼はいい人だ。それは知っている。たまにはいいか、こんなことしても。彼がこの紙を持ってれば霊は寄ってこれないだろう。てか、兄の霊力？的なのが詰まってるので基本的に寄れないよなあ。
「はあ、疲れた」
「あ、おつかれ」
授業はあと7分で終わりか、教室は向こうの棟の4階で戻るのダルいなあ。帰る頃には授業終わってるかもとため息をつきながらカーテンの中から出ると、いつから居たのかそこには保健室の先生が立っていた。
◇◆
続く
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珀空(はくあ)(プロフ) - ゆーみやンさん» はじめまして！そう言って頂けるとすごくうれしいです！これからも頑張らせて頂きます！コメントありがとうございました!!!<(_ _*)> (2020年3月21日 7時) (
レス) id: 0b3c35e0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - はじめまして。どのお話もとてもだいすきです！ 更新頑張ってください！応援しています( *´艸｀) (2020年3月21日 3時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
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