◆意味を作ろう【zm】 ページ3
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「はい、これ」
「何これ」
「……ん、ほら受け取れって」
久し振りに家にやって来たゾムは、リビングに入るなり何かを渡してきた。
「開けていいの？」
「おん」
人の家のソファを陣取ってゲームを始めた彼にそう聞けば、すぐに返事が帰ってくる。
紙袋から白い箱を取り出して、貼ってあったテープをそっと剥がす。
そして箱を開けると、そこには黄緑色のリボンをつけた兎のぬいぐるみがあった。
「え、何これ……！か、可愛い！！」
「あー、兎好きやろ？」
「うん、めっちゃ好き！」
「この前のAの誕生日の時、急に仕事入って会えんかったやん？」
せやから誕生日プレゼント、とボソボソと言っている。照れているのか目を合わせようともしてくれない。何だか笑えてきた。
ついでにこの愛くるしいぬいぐるみを買う彼を想像してみる。いややっぱり笑えちゃう。どんな顔で買ったんだろう。
「本当にありがとう。大事にする！めっちゃ大事にする！」
「お、おう」
目を合わせてくれないならと、ゲームをしている彼の前にぬいぐるみを持っていき左右に揺らしながら、そう言えばそっぽを向きやがった。
いつにも増して照れているなあ。
とニヨニヨしていれば、パーカーのフードを深く被って顔を隠してしまった。
あのゲームの画面が、continue？になってますけど！良いのか！？
「いやあ、それにしても黄緑のリボンがめっちゃ似合うねえ」
「……」
遂には無言になってしまったが、気にせず彼の前で話を続ける。
長い耳を触ってみたり、着ているスカートを伸ばしてみたり、リボンを続いてみたり、そんなことをしていれば、何かが私の着ていたロングスカートの上に落ちた。
「ん？何これ…」
一体何処から落ちてきたんだ？と思いながら、スカートに紛れたれを拾い上げる。
淡い銀色が鈍く光った。
「ゆ、指輪…？…へ？ゾムさん？」
「……そういう意味や。察してや」
「……」
口をパクパクと開けたり閉じたりする。息の仕方を忘れてしまったかのような錯覚に陥る。
フードをとってこちらをやっと向いてくれた彼の顔を見る。
「それってつまり……けっこ…んぐっ」
そう言いかけた時、ぎゅっと抱き締められた。
兎のぬいぐるみから手を離し、もぞもぞと彼との間にある手を抜き出す。
そっと震える手をその背中に回した。
「……＿＿＿」
彼が小さい声でそう囁く。
私はゆっくりと頷いた。
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珀空(はくあ)(プロフ) - ゆーみやンさん» はじめまして！そう言って頂けるとすごくうれしいです！これからも頑張らせて頂きます！コメントありがとうございました!!!<(_ _*)> (2020年3月21日 7時) (
レス) id: 0b3c35e0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - はじめまして。どのお話もとてもだいすきです！ 更新頑張ってください！応援しています( *´艸｀) (2020年3月21日 3時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
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