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「……」
今、私はほとんど見知らぬ人たちと何故かポテトを食べている。
あんなに大量に食べれるのかとは思ったが、増えていく人数に妥当だったのかもしれないと後から思う。
話を聞く限り彼らは旅人のようだ。子供たちは彼らの話を楽しそうに聞いていた。かく言う私も耳を傾けている。
「なあ、海は好きか？」
突然すぐそこに座っている…ぐ、グルッペンさん？がこちらに問いかけてくる。
海、か…。
「…普通です。あまり海に関心を持ったことはないですね」
「そうか」
海に面していない町で生きてきた為、あまりピンと来ない。それこそ汽車で行けるところにあればいいのだが、それは遠くて行く気にはならないし…。
それも付け加えて言えば、「なるほど」と彼は頷く。
「グルッペンさんは？」
「俺は好きだゾ！広いし綺麗だし何より恐ろしい」
「恐ろしい…？」
「何が起きるか分からないからな。だからこそ冒険が楽しくなるんだ！」
嵐に飲まれそうになった時はどうなるかと思った、彼はそう言って笑う。まるで子どものようにキラキラとした目で語るその姿に本当に好きなのだと感じた。
それを聞いていたらしい他の人も頷いている。
彼らは私が知らない世界を生きているのだろう。
「今ね、この辺は危ないんだ！」
「海賊が出るって父ちゃんが言ってた！」
子供たち2人は「ねーっ」と顔を見合わせ言う。
「海賊？」
「そう！この前商船が襲われたって」
「へー、よう知っとるな」
「父ちゃんは漁師なの！」
ポテトを頬張りながら子供たちがそう言えば、彼らは「ふーん」と言って何やら考えているようだ。
「お兄さん達も旅の時は気をつけてね！」
「おん！もちろんや」
そんな光景を微笑ましいと思い笑う。
子供はいいなあ。
しみじみ思っていると、グルッペンさんと目が合う。別に逸らす理由もないので、ぱちぱちと瞬きしつつ見ていると向こうが逸らした。
何だろう、さっきから彼らは時折こちらをそんな風に見てくる。探るように、見透かすように、そして何故か見蕩れるように。
気のせいだと自意識過剰だと思いたいのだが、どうもそんな節があるように思われた。
「おーーい！」
聞き覚えのある声が後ろからした。子供たちがそれに反応して立ち上がり、駆けていく。
私も立ち上がり、そちらを見た。
私の後ろで、海賊たちの目が光る。
焦がれた海はすぐそこに＿＿。
(そろそろやな)
(準備は？)
(いつでも…！)
◆◆
続く
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珀空(はくあ)(プロフ) - ゆーみやンさん» はじめまして！そう言って頂けるとすごくうれしいです！これからも頑張らせて頂きます！コメントありがとうございました!!!<(_ _*)> (2020年3月21日 7時) (
レス) id: 0b3c35e0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - はじめまして。どのお話もとてもだいすきです！ 更新頑張ってください！応援しています( *´艸｀) (2020年3月21日 3時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
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