◆透明で、そして深い青【一応all】 ページ14
＊海賊パロ/長い
＿海には海賊がいる。だから、1人で海に行ってはいけないよ？
＿＿特に、お前のように海色の目をした子は、海に魅入られるから。
そう去年亡くなったばあ様は幼い頃よく言い聞かせてくれた。
だから用もなく1人で海に近づくことはなかったし、海が近い町という訳でもなかったので興味もなかった。
「え？おば様が風邪？」
「そうなの、だから看病しに行けない？あっちにはまだ小さい子もいるから」
「分かった、行ってくるね」
漁村に嫁いだおばが風邪を引いてしまったのだと母から聞いた。向こうの家にはまだ小さい子がいるし、家事はおばがしている。
母は今度のお祭りの準備で手が離せないらしく、二つ返事でおばの家に行くことを了承した。2、3日分の着替えを用意し、昼には漁村へと向かった。
丁度そちらの方面に行くという父の馬車に乗せてもらい、1時間ほどでおばの家にたどり着いた。
「Aねーちゃん！飯！」
「もう出来るよー」
「それ俺の！返して！」
「コラ、喧嘩しない…」
「うわーーん！」
「あー、よしよし」
まだ10にもなっていない男の子が3人いると本当に大変である。自分は末っ子ではあるが、人の面倒をみるのは嫌いではないので良いのだが、家事はあまり進まない。
「ごめんねえ、Aちゃん。旦那は最近海賊が出るからって村の衆たちと外に出ちまってるのさ」
「海賊ですか？」
「あー、何。気にしなくていいの。ここいらじゃ、珍しくはないからね」
詳しく聞けば、海賊が出るから会議、という名目で旦那さんは飲みに出掛けているらしい。奥さんは風邪なのに、とも言えないし、まあ家事は私がするので良いかと思った。
「あー、アンタは気をつけなさいね？」
「え？」
「その目の色はちょっと危険かもしれない」
「…？」
おばは、そこまで言うと「しばらく寝るから」と眠ってしまった。
それから一通りの家事をし、子供たちを寝かしつけると、滞在用に宛てがわれた客室の鏡で自分の顔を見た。そこには、この辺りで「海色」と呼ばれる目が映る。
普通の水色より少しだけエメラルドグリーンぽく、そして深い透明とその奥に青が何たら、と昔ばあ様に言われたことがあるが、それが何だと言うのか。
確かにこの色を持つ人は自分以外に会ったことは無い。じい様が同じ色だったと誰かが言っていたが、彼は早くに死んでしまっていて顔は知らない。
パッと見はこの国の3割ほどいる水色の目の人と区別はつかないので良いか。
◆◆
続く
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珀空(はくあ)(プロフ) - ゆーみやンさん» はじめまして！そう言って頂けるとすごくうれしいです！これからも頑張らせて頂きます！コメントありがとうございました!!!<(_ _*)> (2020年3月21日 7時) (
レス) id: 0b3c35e0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - はじめまして。どのお話もとてもだいすきです！ 更新頑張ってください！応援しています( *´艸｀) (2020年3月21日 3時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
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