◆空の飛び方を忘れたの【kn】 ページ2
＊一応軍パロ
「そんなところで何してんねん」
不意に下から声がした。そちらを見やればコネシマが眩しそうに目を細めながらこちらを見ていた。
木に登ってぼんやりと上を見ていた私に「危ないで」と彼は続ける。
「あー、コネシマじゃん。えっとね、空を見てるんだ」
「空？空なんかそんな所登らんでも見えるやろ」
正論だと思う。
空は木になんか登らなくても遮るものさえ無ければ何処からでも見ることが出来る。誰だって平等に。
「だってね、こっちの方が空に近いじゃん」
「せやったら城のバルコニーからの方がよっぽど近いで」
また正論だ。
木に登るより、城のバルコニーで見る方が空はずっと近いだろう。
「んー、そうなんだけど」
「…はあ、ほら危ないからはよ降りい」
「はいはい、全く意外と心配性なんだから」
心無いくせに、と言えば下から「あ？」とドスの効いた声がした。
それに苦笑しながら、ゆっくりと幹の上で立ち上がった。
「ねえ、シッマ」
「何やねん」
「……受け止めてね」
「はあ！？…ちょ、おまっ」
着ている軍服のシワを伸ばしながらそう言うと、シッマは焦ったような声を上げた。
トンっとシッマの方に飛び降りる。
慌てながらもしっかりと私が着地するだろう位置で両手を広げて彼はそこにいる。
飛び降りる時、彼の目が、その空色がとても綺麗だと思った。
「…ナイスキャッチ」
「……お前!!飛び降りるなや！」
耳元でいつもよりも低い声でそう言う彼。
見上げれば空と目が合った。
顔を引き攣らせて、何やらお説教をする彼。それを聞き流しながら、イケメンなのに勿体ないなあ、とか考える。
「聞いとんのか」
「聞いてるよー、私は卵焼きにはケチャップ派だよー」
ウソウソ、全然聞いてない。
適当なことを言えば、明らかにさっきよりも怖い顔になった。
「……A」
「キャー、こわーい」
態とらしく声を上げ、ギュッと抱き着いてみた。ビクッとした後、コネシマは喋るのを止め固まった。
あれ？シッマサーン？
ニヤニヤしながら、上を見れば無表情のくせして耳が赤くなっているのが見えた。
平静を保ってるようで、実は心の中では照れてるな、この人。
それが可笑しくて笑う。
「ねえ、シッマ」
「……何やねん」
「人間ってやっぱり空飛べないね」
「何言ってんねん。当たり前やろ」
無表情が一変「変なやつやな」と言って彼が笑う。
＿＿＿その瞳の空がとても透き通っていて綺麗だと思った。
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珀空(はくあ)(プロフ) - ゆーみやンさん» はじめまして！そう言って頂けるとすごくうれしいです！これからも頑張らせて頂きます！コメントありがとうございました!!!<(_ _*)> (2020年3月21日 7時) (
レス) id: 0b3c35e0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - はじめまして。どのお話もとてもだいすきです！ 更新頑張ってください！応援しています( *´艸｀) (2020年3月21日 3時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
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