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晴さんは私の言葉を否定せず、受け止めるように微笑んだ。
でもその笑顔はすぐになくなり、晴さんは俯くと消え入りそうな声で言った。
「だめだなぁ、いろんな人に心配かけちゃう。」
きっと甲斐田さんの本心なのだろう。
心配をかけたくなくて、それでいて周りの人には笑っていてほしい。
「本当に優しい方なんですね。」
きっと、私がなにを言っても、晴さんは無理をしてしまう。
「優しくないよ、弱いだけ。」
私に向けて微笑む顔が、そう、告げていた。
やっぱり、私なんかの言葉じゃ、届かない。
また、涙が瞳に溜まっていくのを感じていた。
そんな私の様子に気づいたのか、晴さんは軽やかに笑いながら私の頭を撫でる。
「そんな不安そうな顔しないで。大丈夫、君に言われた通り、今日はゆっくり休むよ。」
そんなことを言いながら晴さんは自分の手を見つめ、諦めるようにつぶやいた。
「どうやら、僕の体は今日はもう、動かないみたいだから。」
「動けるようになったら、また、無理を、する気ですか、」
掠れる声で私は救いを求めるように晴さんを見つめる。
晴さんは私の問いには答えず、窓の外を見つめると、苦笑し、つぶやいた。
「ありゃ、ほんと、言う事聞かないなぁ…。Aちゃん、お客さん来たみたいだから、部屋の外にお迎えに行ってもらってもいい？」
「は、はいっ！」
窓の外を見つめていたのは、人影が見えたからなのか、と私は一人で納得すると急いでドアまで向かう。
私がドアを開けると同時に部屋ひ飛び込んで来たのは、目を真っ赤にさせた藤士郎さんと、ビニール袋いっぱいに食材を抱えた景さんだった。
「おー、A、まだいたのかー、晴はどう？落ち着いた？」
そう言う景さんは言うも通りの笑顔で、前に立つ藤士郎さんの背中を優しく撫でていた。
藤士郎さんはまだ怒っているようで、乱暴に部屋の中に入るとキッチンに向かってまっすぐ突き進んでいった。
「藤士郎さん、大丈夫でしょうか、」
私は隣を歩いて行った藤士郎さんを見つめながら景さんにこっそりと聞いた。
景さんはワッハッハと笑いながら「ダイジョーブ」と言うと手元の食材を見せる。
「晴はお腹が空いてるから正常な判断ができないんだってよ。だから、藤士郎が作るんだって。晴、藤士郎の料理好きだから、きっと食ってくれるだろ」
景さんがそう笑うと奥から藤士郎さんが「景くん！？早くきて！」と大きな声で言っていた。
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WAJ - ゆめなさん» ありがとうございます！そう言っていただけると本当に力になります！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年2月25日 10時) (
レス) id: fa85d0ee74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - 好きです…！！毎日更新が楽しみです！！ (2021年2月24日 23時) (レス) id: 9f72c6a150 (このIDを非表示/違反報告)
WAJ - 野生のきゅうりさん» 応援ありがとうございます！長編になる予感はしていますがもうオチまで考えているので最後まで主人公を導けるように頑張ります！よろしくお願いします！ (2021年2月16日 9時) (レス) id: 59ac59be38 (このIDを非表示/違反報告)
野生のきゅうり(プロフ) - 好きな感じのやつです……!!!更新頑張ってくださいー！続きが気になるヤツ久しぶりに見ました笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: 66eb00c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：WAJ | 作成日時：2021年2月7日 1時
