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その後を追うように何も言わず景さんも部屋をゆっくり退出し、部屋には私と晴さんだけが残された。

取り残された晴さんは、哀しそうに、大きくひとつ、ため息をつくと、立ち上がろうとした。

が、足をふらつかせ、そのまま床に倒れ込んでしまった。

「だ、大丈夫ですか…!」

私は慌てて駆け寄ると、晴さんはあの時と同じように優しく笑い、困ったように「ごめんね、こんな姿見せちゃって」と呟いた。

肩を貸し、晴さんをベットに戻すと、部屋の換気のために窓を開ける。

外では数人の大人たちが、楽しそうに談笑していた。

「……今回の企画、甲斐田が主催、でさ。」

天井を見つめながら晴さんがポツリと呟く。

「初めてなんだよね、主催。だから、準備、しなくちゃ、って。」

「焦って、しまっていたんですね、」

私の言葉に、晴さんは小さく頷く。

「甲斐田バカだからさ、仕事の繁忙期とか考えずに、他の皆の都合に合わせて日程組んだら、案の定、仕事が次々舞い込んできて、捌けなくなって、企画の準備も進まなくなって。」

部屋に散らかっていた資料は、魔に関する物だったのだろう。

晴さんのことだから、きっと魔に関する依頼を全て受けているに違いない。

「おふたりを、頼ったらいいんじゃないですか。」

「2人には、迷惑かけらんないよ。」

窓の外で雀が楽しそうに鳴く。

晴さんは目を閉じながら言った。

「この時期は、魔が活発になるんだ。魔が荒れると、長尾も、仕事が増える。魔が荒れると、神も荒れる。だから、弦も、仕事が増える。」

「だから、おふたりには頼れない、ってこと、ですか。」

晴さんは私の言葉には答えず、聞こえないぐらいの声で呟いた。

「本当は2人に心配、掛けたくないんだけどなぁ」

晴さんが呟いた声は、私にだけ届いて、私はその言葉に対して、なにも、言ってあげることが出来なかった。

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WAJ - ゆめなさん» ありがとうございます!そう言っていただけると本当に力になります!これからも応援よろしくお願いします! (2021年2月25日 10時) (レス) id: fa85d0ee74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - 好きです…!!毎日更新が楽しみです!! (2021年2月24日 23時) (レス) id: 9f72c6a150 (このIDを非表示/違反報告)
WAJ - 野生のきゅうりさん» 応援ありがとうございます!長編になる予感はしていますがもうオチまで考えているので最後まで主人公を導けるように頑張ります!よろしくお願いします! (2021年2月16日 9時) (レス) id: 59ac59be38 (このIDを非表示/違反報告)
野生のきゅうり(プロフ) - 好きな感じのやつです……!!!更新頑張ってくださいー!続きが気になるヤツ久しぶりに見ました笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: 66eb00c237 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:WAJ | 作成日時:2021年2月7日 1時

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