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ここへ移動してくる前、刀也さんと美兎さんが話していた内容を思い出す。

『この子に世界、教えてあげてください』

『そんな、校内探検に行くみたいなニュアンスで僕に命賭けさせないでくださいよ。』

美兎さんが言っていた“世界”は本当に、それぞれの世界のことで、刀也さんが言っていた“命賭け”は、本当に命を賭けているのだと知る。

刀也さんはまた新しい扉を開きながら不思議そうに私を見つめた。

「行かないんですか?」

怖くなりましたか?と言いたげな、含みのある笑顔で刀也さんは首を傾げる。

「……刀也さんは、そんなに、世界を行き来して、体に異常は、ないんですか?」

「うーん、まぁ、僕はあんまり。そもそも僕はヴァンパイアハンターなので、存在が少しファンタジーということもありますが。」

「え…でもさっき、5分も立っていられないって…」

刀也さんはうーん、と首を捻りながら唸る。

「少し、難しいんですけど、僕はファンタジーの世界より、ナチュラルな世界に“適正”だったんですよ。実を言うと、さっき会った勇気ちひろさん、彼女もナチュラルな世界には一応適してるんです。でも、彼女の性質的に…つまり、彼女の“魔法少女”っていう性質は、ファンタジーの世界のほうに順応したってわけです」

その理論で行くと、刀也さんは“ヴァンパイアハンター”という性質よりも、“男子高校生”という性質が優先されて、ナチュラルな世界…1つ目に行った世界に順応した、というわけだ。

しかし、刀也さんは“ヴァンパイアハンター”の性質も兼ね備えているため、一般的な学生よりも、他の世界に拒まれにくい、ということなのだろう。

「といっても、ローブが無いと、僕も苦しくなるんですけどね。さ、次の世界に行きましょう」

私は小さく頷きながら1歩を踏み出す。

世界に対して、なんとなく理論はわかってきたが、それならなぜ刀也さんは“命賭け”なのだろうか。

推測できるのは、ローブを着ていても、刀也さんにも限界がある、ということだ。

3度目の眩い光に包まれながら私は考える。

刀也さんがそんな話をするのも、ここから先は私の“性質”が合わない、と考えられたからだ。

──つまり、ここから先は、命賭け。

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WAJ - ゆめなさん» ありがとうございます!そう言っていただけると本当に力になります!これからも応援よろしくお願いします! (2021年2月25日 10時) (レス) id: fa85d0ee74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - 好きです…!!毎日更新が楽しみです!! (2021年2月24日 23時) (レス) id: 9f72c6a150 (このIDを非表示/違反報告)
WAJ - 野生のきゅうりさん» 応援ありがとうございます!長編になる予感はしていますがもうオチまで考えているので最後まで主人公を導けるように頑張ります!よろしくお願いします! (2021年2月16日 9時) (レス) id: 59ac59be38 (このIDを非表示/違反報告)
野生のきゅうり(プロフ) - 好きな感じのやつです……!!!更新頑張ってくださいー!続きが気になるヤツ久しぶりに見ました笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: 66eb00c237 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:WAJ | 作成日時:2021年2月7日 1時

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