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刀也さんは不思議そうに首を傾げて「どうして？」と言いたげな顔で私を見つめる。
「あ、その、雰囲気が、美兎さんとは違う包容力で、なんか、懺悔、したくなるような、その、神様？みたいな、この人の前なら、全てを許されそう……って、私なにを言ってるんでしょう、すいません」
変なことを言っている、と思ったのだろう、刀也さんは想像通りポカンとした表情で私を見つめたあと、楽しそうに笑い始めた。
「す、すいません、」
恥ずかしくなった私は座らせて貰っていたベンチの上で丸くなる。
「いや、そっか、そこまで分かるのか、凄いな」
刀也さんは笑いながら答える。
「でも僕は叶くんのこと“神様”だなんて感じたことないですからね、それは今度、本人に聞いてみてください。」
「いやっ、神様は、比喩表現で…！」
かぁっと頬が熱くなるのを感じる。
楽しそうに笑っている刀也さんだが、からかわれることに、私は慣れていないのかもしれない。
「ほら、もう行きますよ」
私は表情を隠すように俯きながら小さく「はい」と答えると、扉の方に向かって歩き出す。
「“世界”を行き来するためには、一回さっきまでいた家に戻らないといけないんですよ」
刀也さんは慣れた手つきで扉を開け、歩き出す。
扉の向こう側は、先程までいた家の廊下で、本当にこの扉がどこでもドアであることを証明する。
刀也さんに続き、扉をゆっくりくぐると、急がせるように刀也さんは勢いよく扉を閉める。
──そっか、刀也さんはこの後用事があるんだった。
私のために時間を割いてくださっている訳だから、私がのんびりしている訳にはいかない。
刀也さんはまた腰から下げた鍵を取り出し、先程とは違う鍵を扉に差し込む。
どうやら鍵が違う所へ行く道標となっているようだ。
刀也さんは躊躇いなく扉を開けると、また私を眩い光が包む。
次に目を開けた時は、先程の街ではなく、西洋の露店が並ぶ裏路地だった。
「え、」
思わず困惑する。
あの鍵は海外に繋がっているのか。
「全く違う風景で、びっくりしちゃいました？」
刀也さんは先程よりも深くローブを被り、からかうようにニヤニヤと私を見つめる。
「ここは、海外……ヨーロッパですか？」
私は質問には答えず、露店の疎らな光を見つめる。
すると前方から10歳程度と思われる少女がこちらへ一直線に歩いてくる。
「あれ、ちーちゃん、どこかお出かけですか？」
どうやら、刀也さんの知り合いの方みたいだ。
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WAJ - ゆめなさん» ありがとうございます！そう言っていただけると本当に力になります！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年2月25日 10時) (
レス) id: fa85d0ee74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - 好きです…！！毎日更新が楽しみです！！ (2021年2月24日 23時) (レス) id: 9f72c6a150 (このIDを非表示/違反報告)
WAJ - 野生のきゅうりさん» 応援ありがとうございます！長編になる予感はしていますがもうオチまで考えているので最後まで主人公を導けるように頑張ります！よろしくお願いします！ (2021年2月16日 9時) (レス) id: 59ac59be38 (このIDを非表示/違反報告)
野生のきゅうり(プロフ) - 好きな感じのやつです……!!!更新頑張ってくださいー！続きが気になるヤツ久しぶりに見ました笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: 66eb00c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：WAJ | 作成日時：2021年2月7日 1時
