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「おーい、もしもーし。あれ、どうしちゃったんだろ。」
黒いモヤが掛かったような視界で、どこからか聞こえる声。
懐かしいような、毎日聞いていたような、清々しい青年の声だ。
「困ったな…。とりあえず委員長を呼びに……、って、目が覚めました？」
「……ここは？」
徐々に晴れていく視界に、明るい笑顔の青年が目に入る。程よく伸びた黒髪に、スラッとした輪郭。手にはテーピングがされており、肩から竹刀入れと思われる物を下げている。剣道部なのであろうか。
青年は困ったように私の目を見つめ、呟いた。
「こっち側には来れないはずなのにな…」
私はどうやら室内にいるらしく、ソファに寝転んでいた。なんで私が倒れていたのか、ここはどこなのか、目の前にいる人物が誰なのか、なにもわからなかった。
ただ、青年の姿を見て、懐かしいと感じた。
「名前はなんて言うんですか？」
ぼうっと青年を見つめる私に彼は問う。
「…わかりません。」
視界は晴れたが、目眩は収まらない。それに、頭が重く、体の自由も効かないように思える。
思考がまとまらない。なぜ私はこんなところにいるのだろうか？
青年の反応から察すると、青年と私に面識はないようだ。
──ただ、私は青年に対し、懐かしいと、感じる。
青年はふぅ、と一息つくと私を安心させるような笑顔で言った。
「少し、この部屋で待っていてください。」
「あの、ご迷惑をおかけして、本当に、その」
咄嗟に出た言葉だった。なにもわからないのに部屋に居座り続けている。見る限りここは家のリビングのように感じるが、いつまでも私がここにいては迷惑だろう。
「大丈夫ですよ。」
青年は立ち上がり、部屋から出ていく直前に私を振り返り、思い出したかのように言った。
「貴方は自分の名前がわからないみたいですが…僕の名前は剣持刀也ですよ。」
一応、伝えておきます。と付け加えて青年は部屋を去った。
「剣持、刀也、さん、」
心臓がドクンと波打つのがわかった。
だが、なぜ心臓が波打つのか、わからなかった。
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WAJ - ゆめなさん» ありがとうございます！そう言っていただけると本当に力になります！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年2月25日 10時) (
レス) id: fa85d0ee74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - 好きです…！！毎日更新が楽しみです！！ (2021年2月24日 23時) (レス) id: 9f72c6a150 (このIDを非表示/違反報告)
WAJ - 野生のきゅうりさん» 応援ありがとうございます！長編になる予感はしていますがもうオチまで考えているので最後まで主人公を導けるように頑張ります！よろしくお願いします！ (2021年2月16日 9時) (レス) id: 59ac59be38 (このIDを非表示/違反報告)
野生のきゅうり(プロフ) - 好きな感じのやつです……!!!更新頑張ってくださいー！続きが気になるヤツ久しぶりに見ました笑 (2021年2月16日 0時) (レス) id: 66eb00c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：WAJ | 作成日時：2021年2月7日 1時
