有頂天探偵社 ページ12
敦くんが賢治くんとコンビを組んで事件を解決してる一方。
私は国木田さんに怒鳴られながら、あれよこれよとされながらも与謝野先生に診察してもらい、今日1日自宅謹慎を食らった。
抗議したが、なにもするな、という圧力をうけ、泣く泣く社員寮の自室へと帰ろうとした。
「あ、おかえ―――」
ばたん。勢いよく扉をしめる。昨日敦くんが行方不明だといっていた人物が、自室の床で寝そべってた。気のせいだろうか。
もう一度扉を開ける。すると今度は扉の目の前にいて、不機嫌そうな顔で私を見ていた。驚きのあまり、ひっ、と小さく悲鳴をあげてしまう。
「酷いじゃないか」
「……あの、毎度毎度思うんですけどなんで此処にいるんですか?」
「細かいことは気にしない気にしない」
「気にしますよ!!これで何回目ですか!!」
太宰さんは何故か、たまに私よりも先に私の部屋にいることが多い。最初こそは驚いたものの、何度もされて最早慣れてしまった。
太宰さんはごめんごめん、と適当に謝ると、「まぁあがってよ」とまるで部屋の主のように言い残し、そのまま台所へ向かった。
いや部屋の主は私なんですけど、と思いつつも後がうるさいので無言で部屋にあがる。すると視界に入ってきたのは、大量の酒瓶(未開封)が転がり、窓は割られ、泥棒に入られたような部屋だった。
「……太宰さん、どうやってここに入りました?」
「窓から!!」
「ここ二階ですけど…!?」
元気よく答えた太宰さんに頭がいたくなる。まだお酒は飲んでいないようだから、通常運転だ。おまけに「この私にかかれば、Aの部屋の一つや二つくらい簡単に侵入できるよ」と恐ろしいことを云った。犯罪だよ。
私の異能力は、創りだせるが修復はできない。窓から冷たい風が部屋に入ってくる。一刻も早く太宰さんに請求しなければ。
そんなことを考えていると、「お茶いれたよ」と勝手に湯飲みを二つ持ってきた。いや、私の部屋だから!!
気を取り直して、太宰さんに今まで何していたのか聞いた。
「それで、今まで何処にいたんですか?敦くん、心配してましたよ」
「ちょっとマフィアに野暮用でね」
「え!?大丈夫だったんですか!?」
「大丈夫大丈夫。……まあ会いたくない奴に会ったけど。いいかいA、背の低い帽子置き場に会ったら無視するんだ」
「???はい?」
背の低い帽子置き場って何だろう。とりあえず相槌をうっておいた。
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塩わさび - ミヤさん» コメントありがとうございます!おもしろいといっていただけるなんて光栄です…!!!頑張って更新していきたいと思います……! (2018年4月18日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - 続編おめでとうございます!人間創造、とっても面白いです!これからも頑張ってください。応援しています! (2018年4月17日 21時) (レス) id: ce29b99b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年4月16日 21時